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ユニバーサルロボットの協働ロボットをマンダムが導入
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URロボットを多品種小ロット製品の充填・包装ラインで活用
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無人化ラインを構築し、工程の内製化に成功
ユニバーサルロボット(本社:デンマーク、日本支社:東京都港区、日本支社代表 山根 剛、以下「UR」)は、 化粧品や香水、医薬部外品を製造・販売する株式会社マンダム(本社:大阪府大阪市、代表取締役 社長執行役員:西村 健 氏、以下「マンダム」)が、試供品のボトル詰め工程にURの協働ロボットを導入したことを発表しました。
マンダム 福崎工場の試供品ボトル詰め工程
マンダムの福崎工場(兵庫県福崎町)では、人手不足に対応すべく無人化ラインの構築を検討していました。専用機では汎用性に乏しく、従来型の産業用ロボットでは安全柵の設置や専門的なプログラムスキル習得など課題があり、設置環境の自由度とプログラミングの容易性から協働ロボットの導入を試みることになりました。第1弾の自動化ラインとして、小容量のボトル詰め工程が選ばれました。
URロボットが選定されたのは、数ある協働ロボットの中で最も直感的にプログラミングでき使いやすかったことと、海外にも多くの製造拠点を持つ同社にとって今後の海外展開もしやすいことが評価されたためです。
自動化ラインの構築の結果、マンダムは外部委託していた一部のボトル製品の製造を自社の無人ラインで対応できるようになり、外注費用の削減ができました。さらに自社でライン構築ができる技術力を獲得したことから、今後は多品種小ロット生産の特性を活用したライン稼働率の向上や、同じ設備を海外工場に展開することを検討しています。
マンダム 生産技術部 生産技術課 課長 小野 真氏は次のように述べています。「ラインの設計から立ち上げまですべて自社内で行い、実際に自分たちでURロボットを使ったことで、ロボットの特性に関する知識や活用スキルが増えました。今後もURロボットの活用範囲をさらに広げられると実感しています。社内全体の技術力が向上したことも大きな収穫です」
- マンダムにおけるURロボットの稼働
現在、マンダム福崎工場では試供品ボトルの中栓装着からキャップ締め、印字や検査工程への搬送、パレタイジングまでの一連の工程で計5台のURロボットが稼働しています。
まず、5kg可搬のURロボット「UR5e」がフィーダから送られてくるボトルをピックし、ターンテーブルにセットします。その後、ボトルに液体が注入されると、別のUR5eが中栓を装着します。ここではURロボット内蔵の力覚センサであるフォース機能を活用し、ロボットが中栓をボトルにまっすぐ挿入し、しっかりと打栓したことを確認します。次に、3kg可搬の「UR3e」がキャップの供給と締付を行います。キャップ締めでは、先端軸が無限回転するUR3eの特長が大いに活用されています。
先端軸が無限回転するUR3eをキャップ締めに使用
その後、ターンテーブルに取り付けられたセンサがキャップの置き具合を判別し、UR5eが良品判定されたボトルを後工程に搬送します。最後に、別のUR5eが重量測定後の製品をインクジェットプリンタで印字させ、検査後コンテナにパレタイジングしています。グリッパは、URロボットとシームレスに接続できるUR+製品、Robotiq社の電動グリッパとSchmalz社の真空グリッパが活用されています。
URロボット内蔵のパレタイジングテンプレートを活用し、コンテナに製品を整列
ユニバーサルロボット 日本支社代表 山根 剛は次のように述べています。「早くからロボットによる自動化の進んだ自動車業界等とは異なり、三品業界においては、多品種対応、スペース、自動化するための知識や経験を持った人材の不足といった要因から従来型の産業用ロボットによる自動化が難しいとされてきましたが、マンダムがいち早くURの協働ロボットを活用し、無人ライン構築に成功されたことは大きな喜びです。社内の人材でシステムを構築されたことで、今後も必要に応じてラインを見直したり、新たな自動化システムの立ち上げに挑戦されることを期待しています。ユニバーサルロボットは、ロボットの導入経験が少ない方々にも容易にお使いいただけるのが特長です。これからも化粧品・日用品、医薬品などの分野においても現場のニーズに合った最適な自動化手法を提案してまいります」