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日本ゼトックが社内でロボットの自動化を実現し生産性を向上
社内で取り組んだ協働ロボットと人との協働が、人手不足を解消し、社員の士気向上に貢献
01 概要
歯磨きのOEMを事業の中心にする日本ゼトック株式会社は、生産ラインの人手不足解消と製品の安定供給を目的にURロボットを導入しました。操作性やカスタマイズ性にすぐれたURロボットを活用し、人間とロボットそれぞれの長所を柔軟に組み合わせることで、受注状況に合わせフレキシブルに生産体制を変更できる生産ラインの構築を実現しました。
02 課題
日本ゼトック株式会社の代表取締役社長 兼 COOである神保貞夫氏は、「会社全体の人数としては現在340~350名ですが、特に工場では人の募集をかけても応募が非常に集まりにくいのです」と同社の課題を指摘します。歯磨きのOEM製造を主力とする同社にとって、人手不足により生産ラインを動かせず製造ができないということでは事業が成り立ちません。
また、「人はフレキシブルに稼働できる反面、急に休んだり技術に差があるなどの側面もあるため、人とロボットの良いところのみを取り入れた生産ラインをつくることが我々の目標」と同社の生産技術部 生産技術課課長の鹿野 純一氏は語ります。
Video —日本ゼトック
03 ソリューション
鹿野氏はドイツのある工場を訪れた際、URロボットが生産ラインのあらゆるところに配置されている様子に感銘を受けURロボットの導入を決意しました。
同社の工場では一つの生産ラインで少量多品種の製品を生産するため、品種ごとにロボットのハンド部の切り替えを簡単に行えることが重要です。そこで同社はハンド部を自社で製造することで、品種の切り替えの簡易化を実現しました。
また、「弊社では安全面にも配慮しており、治具自体の中身を空洞にしたり強度をわざと落とすことで、人にぶつかった時に折れて事故に繋がらないように設計しています」と語るのは 生産技術課の管原 大岳氏です。これらの運用や安全性を考慮した上でロボットが実働するまでの期間は、設計に約1ヶ月、組み立ておよび設置に約1ヶ月、プログラミングに約1ヶ月と合計約3ヶ月程度だったと管原氏は振り返ります。「今回は初めてだったので少し時間がかかりましたが、次回はもっと期間を短縮することができると思います」
結果として、 個箱入れラインではこれまで2名の人員で対応していたのが1名と4台のUR5ロボットで人との協働による自動化を実現しました。ロボットの導入により作業員の休憩時間にもラインを止めずに済むようになり、生産速度も上がったので、1時間あたりの梱包個数を30%以上も増やすことができました。また、外箱入れラインではこれまで1名の人員で対応していた製函作業を1台のUR5ロボットで完全に自動化することができました。手の空いた人員は資材供給や工程検査などの作業にリソースの再分配を行いました。
プログラミングのトレーニングは、正規販売代理店の因幡電機産業㈱が提供しました。「トレーニングで丁寧に教えてくださったのみならず、導入済みの他社の工場見学などもさせていただき、いろいろと学ぶことができました。今後も、ロボットを扱える人材を社内で増やそうとしています」(管原氏)
同社は2年程度での投資回収を見込んでいます。「この業界では通常は3年程度かかるのが一般的ですが、社内でプログラミングできることから投資費用を削減できています」(鹿野氏)
最後に、鹿野氏は「設備を買うと、通常は組み立てメーカーに頼りきりになり自分たちの設備だと言う自覚が持てなかったのですが、今回は自分たちで設計から組み立てまで行うことで、自分たちの設備だという意識が芽生えたのが一番大きなメリットでした」と語り締めくくりました。
“設備を買うと、通常は組み立てメーカーに頼りきりになり自分たちの設備だと言う自覚が持てなかったのですが、今回は自分たちで設計から組み立てまで行うことで、自分たちの設備だという意識が芽生えたのが一番大きなメリットでした”
日本ゼトック株式会社について
"明るく幸せな毎日は健康であることが基本である"との理念のもと、日本ゼトック社は高機能、高付加価値の口腔ケア製品や化粧品を生み出し、ODMや自社ルートを通じ国内外の顧客に届けています。https://zettocstyle.com/en/
- 個箱入れラインの生産性を30%向上、必要人員を2名から1名に
- 外注していたプログラミング費用の削減により投資回収期間を短縮
- 自動化により手の空いた人員を他の作業に再配分
- ロボットの自動化を社内で完結できたことで、社員の士気が向上
- プログラミング習得が簡単
- 安全で協働的
- 訪れたドイツの工場における採用実績
- 歯磨きの小箱入れ
- ダンボールへの梱包
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