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Comprehensive Logistics
ミッションクリティカルな検査にユニバーサルロボットを活用
01 概要
オハイオ州に拠点を置く受託製造業者、Comprehensive Logistics社では、ビジョンカメラを搭載したUR10を活用し、自動車エンジンサブアセンブリの外観検査を実施しています。ロボットの活用で、100%の品質を実現できるようになりました。
02 課題
Comprehensive Logistics社のオハイオ州ヤングスタウンにあるU字型の組み立てラインでは、エンジンパーツが各ステーション60秒のタクトタイムでコンベア上を時計回りに回っており、ひとたびエラーが起これば全工程に影響が出てしまいます。エンジンクレードルのサブアセンブリはラインの最後に位置するため、同社は重要なステアリングギアのワイヤーハーネスコネクターを含む各サブアセンブリが所定位置にロックされていることを検査する必要がありました。Comprehensive Logistics社の付加価値アセンブリ管理者、Mike O’Keefe氏は述べています。「断続的にゆるみがあったり、接続されていても所定の位置にロックされていなかったりすると、パワーステアリングが一時的に、または全く効かないという深刻度レベル8の問題が発生する可能性があります。これは命に係わる故障モードであり、クリップは100%の確度で所定位置にしっかりとロックされていなければなりません。」O’Keefe氏は課題についても次のように述べています。「業界全体でも手動での検査の有効性は80%程度であり、私たちは自動化されたシステムによる再現性のある品質検査を求めていました。」
この工程は同社の悩みの種となっていましたが、既存の固定されたマルチカメラシステムではカメラを必要な位置に動かせず、同社が求める再現性も実現できませんでした。再現性の要件を満たさなかったプローブスタイルのロボットを実際に試してみたO’Keefe氏は述べています。「このカメラシステムで収集したデータには、必要のない画像も含まれてしまっていました。」
同社は代替手段を探し始めました。そのソリューションはComprehensive Logistics社のアップタイム要件を満たし、シンプルで使いやすく、ラインの工程やスタッフと融合させやすいものでなければなりません。O’Keefe氏は述べています。「安全上の問題を引き起こすリスクがないものを探す必要がありました。ユニバーサルロボットに出会った時、そのコスト効率性が高く軽量のロボットなら、ビジョンカメラを必要な位置に安全に、何度でも移動させることができるとすぐにわかりました。ユニバーサルロボットの巧みな技術があってこそ、カメラのミッションクリティカルポイント上への配置、そして100%の再現性を実現できるのです。」
ビデオ―ミッションクリティカルな品質検査に活用されるUR10―米国
“「ユニバーサルロボットのおかげで当社は100%の品質を実現でき、強いポジショニングを確立できました。」”
03 ソリューション
ビジョンカメラを搭載したユニバーサルロボットの天井取り付け型UR10協働ロボットは、検査ポイント間を素早く移動し、各接続がホームポジションに格納される前に写真を撮り次のアセンブリの検査に備えます。
O’Keefe氏は、UR10がエンジンクレードルの検査を受け持つことでアップタイムを達成できたと強調し、次のように述べています。「UR10を24時間稼働の2交替または3交替の作業体制に導入して2年になります。」このアプリケーションでは、新たなエンジン製造に向けた将来性も考慮されています。お客様から新たな要件や他の検査基準の提示があった場合には、工程への品質検査ポイントの追加も簡単に行えます。O’Keefe氏は述べています。「インテグレーターが遠隔接続し、必要なアップデートを行い、工程を案内してくれます。」
ターンキーアプリケーション開発を手掛けたのは、オハイオ州に拠点を置くユニバーサルロボットの認定システムインテグレーターであるAutomation Zoneです。外部リソースを活用しても、アプリケーション全体のコスト効率は高く保たれています。Comprehensive Logistics社のアセンブリ管理者によれば、ロボットを3交替の作業体制で稼働すれば7か月で投資は回収できるといいます。「ロボットのハードウェアだけを見れば、4か月以下で回収できるでしょう。」この計算には、品質の問題でお客様からフィーを削減される可能性は考慮されていません。「ユニバーサルロボットのロボットにより100%の品質が保たれるおかげで当社はペナルティからも守られ、投資回収期間はさらに短くなるでしょう。」
ユニバーサルロボットのロボットは、ルート内で物体または人に出くわすとロボットのアームを自動的に停止させる安全システムを搭載しているため、協働ロボット、つまりコボットに分類されます。それはつまり、Comprehensive Logistics社はUR10をラインで働いている従業員のすぐ隣に配置できるということです。O’Keefe氏は述べています。「業界で使用されている通常のロボットシステムに必須のライトカーテンやその他の安全柵などを設置する必要がありません。」彼はサイクル途中で簡単に稼働・停止できるロボットの能力を強調します。「検査で不合格が出た場合、ラインに入ってサイクルの不合格部分だけの再検査を行うことが可能です。一般的に、スタンドアローンのロボットを使用している場合、工程全体をやり直す必要が生じ、サイクルタイムをオーバーしてしまいます。」各ステーションのタクトタイムが60秒間であることを踏まえてアセンブリラインでのサイクルタイムは約48秒間に設定されていますが、URのコボットで検査にかかる時間は約32秒間であり、ライン全体を停止させることなく不合格部分だけをやり直す十分な時間を確保できます。
Comprehensive Logistics社の従業員がコボットと同僚として働く機会は、これからも増えていくでしょう。O’Keefe氏は述べています。「今後、Comprehensive Logistics社が100%の品質を必要とするミッションクリティカルな検査ポイントを有する他のお客様の仕事を受注した時には、そのラインでもこの工程を再現して活用することができるでしょう。」
04 製品
Comprehensive Logistics社は、ISOおよびIATF認定の付加価値サブアセンブリ機能を含むハイボリュームかつハイスピードの倉庫オペレーションを提供する大手サードパーティーロジスティクスプロバイダーです。Comprehensive Logistics社は包括的なターンキーソリューション、独自のITシステムインテグレーション、倉庫管理およびヤード管理インテリジェンスシステム、パーツのシーケンシング、サブアセンブリ製造、キッティング、パーツ再梱包、通い箱の管理、クロスドッキング、国際インバウンド/アウトバウンド資材管理、専用のピストン輸送を展開しています。
- 自動車エンジンのアセンブリでの100%品質の達成
- 安全柵なしでの自動化/作業者の隣でのオペレーションの実現
- ダウンタイムやラインの中断なし/ゼロメンテナンス
- 将来も使い続けられる、エンジン組み立ての検査における変更に対応できるアプリケーション
- 4か月(UR10)/7か月(アプリケーション全体)での投資回収
- 簡単なプログラミング
- 共同作業可能かつ安全
- 再検査の後に再校正の必要がなく、作業継続が可能
- 自動車エンジンのサブアセンブリの外観品質検査
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