Creating Revolutions
組み立てラインの課題をURロボットが解決
01概要
マイアミのスタートアップ企業Creating Revolutions社は、製造するホスピタリティ産業用ページャーの不良率が2桁、という悩みを抱えていました。しかし現在ではユニバーサルロボットのUR3がハンダ付け、ドリル加工、シリコン分注、ライト組み立て作業を担い、それをクラウドベースのシステムで制御・監視できるようになりました。その結果不良品はほぼゼロになり、生産効率は約5倍にまで拡大しました。
02 課題
Creating Revolutions社はホスピタリティ産業で使われる顧客サービス用ページャーシステムを製造しています。ホッケーパックほどのサイズの同社製品Communication Discは、スマートフォンを使ってゲストとウェイターとのやりとりを可能にするツールです。このディスクの組み立てには高い精度と再現性が求められます。「一定の作業を効率よく、まったく同じように何度も繰り返すというのは人間にできることではない。それが悩みでした」と語るのは、Creating Revolutions社のCEOーEINAR ROSENBERG氏。その当時、彼は質と量の両面で条件を満たす自動化ソリューションを探していました。
「ロボットメーカーを40社ぐらい検討したがプログラムのしづらいものがほとんどでした。環境を整えるためにいろいろ揃えなければならなかったり、大きすぎたり、ぎこちなさすぎたりという問題もありました」と語るEINAR ROSENBERG氏が最終的に選んだのは、ユニバーサルロボットの協働ロボットUR3でした。
ビデオ UR3ロボット Creating Resolutions(アメリカ)
03ソリューション
「UR3はスマートで動きが速くスムーズでした。私たちが求めていた高い精度にもきっと応えられるはずだと思いました。2桁だったわが社の不良品率は1%を切るまでになり、間接費用は大幅に減ったうえ、生産量は数倍に拡大しました」とEINAR ROSENBERG氏は説明します。
UR3が行うのは2つのサイクル作業です。1つ目は、アルミの筐体パーツがトレイに正しく並んでいるかをチェックし、次にそのパーツを持ち上げクランプに配置し、シリコン分注器を持ってシリコンを所定の箇所に注入、そしてアクリル製ディスクをその上に置き、組み立てたパーツをトレイにまた戻すという工程です。次のステップは、ドリル加工とハンダ付けです。UR3はディスペンサーから底が銅でできたディスクを取り出し、ディスクを揃えるため光レーザーセンサーに配置し、さらにそのディスクをホルダーに載せ、2つのクランプで留めつけます。
「UR3はユーティリティ・ベルトからドリルをつかむと、ペックドリル加工を施します。アクリルは力まかせにすると割れてしまうからです。このロボットは非常に繊細で、完璧な穴があいたところでドリルを止めてくれます」とEINAR ROSENBERG氏は語ります。ドリル加工に続き、UR3はハンダゴテを使い3カ所予備ハンダ付けをします。
「UR3が予備ハンダをしてくれるので作業効率が約5倍に向上しました」とローゼンバーグ氏は語ります。「手作業でのハンダ付けというのは、オペレーターに手が3つ必要だと思うほどの作業なのです」。
04 UR3インテグレーションのメリット
UR3をCreating Revolutions社の組み立てラインに組み込むインテグレーションを担当したのは、ユニバーサルロボットの認定システムインテグレーターHireboticsです。協働ロボットを派遣する派遣会社のようにメーカーに協働ロボットを時間単位で貸し出すため、初期費用は不要です。ロボットのプログラミング、設置、保守管理はすべてHireboticsが行いCreating Revolutions社はロボットの稼働時間に応じた料金を支払うだけです。
Creating Revolutions 社がHireboticsに連絡してからUR3を発注し、設置とプログラミングが終わるまでにかかったのはわずか数週間でした。Hireboticsの共同創業者Matt Bush氏によると「ロボット派遣会社」経営にはロボットを迅速に設置できることが必須条件だとのこと。「私たちにそれができているのは、URロボットのプログラミングが簡単だからです。URのインターフェースのおかげで、過去に採用してきた色々なソリューションよりもずっと早く製造が始められます」とMatt Bush氏。彼はクラウドベースのモバイルアプリも開発しCreating Revolutions社がリアルタイムで製造データを得たり、ロボットが何かを必要としたときに通知を受けたりできるようにしました。「UR3が一定の時間内に製造するユニットの詳しい数を知ることで、データを総合して、人員が何人必要か、何を重点的に製造するのが最適かなど製造上のニーズをかなり正確に現実に即して予測しています」とEINAR ROSENBERG氏は語ります。UR3は勤務時間外にも無人で稼働しています。
ロボットが組み立て工程の一部を担っていることがCreating Revolutions社の大きなセールスポイントにもなっています。
EINAR ROSENBERG氏は次のように語ります。「お客様が来社してUR3を目にすると、ロボットがいるから品質と精度が保証されているのだとわかってくれます。うちは大手企業ではないので、お客様はこれから導入する製品で失敗することがないようにと考えます。UR3は強みを証明してくれて、我が社の売上げを後押ししているのです」。
- 従業員をより複雑な作業にあてられるようになった。品質、効率性、生産量が向上
- Creating Revolutionの製品Service Pagerは11の特許技術に基づき、充電やコンセント接続なしで10年使えるように設計されている
- コミュニケーションが必要とされるさまざまな場面で利用されている。最も多い用途はレストラン、リゾートなど。ゲストがウェイターを呼び出す際、スマホでディスクをタッチして連絡する
- プログラミングの容易さ
- 協働しやすさ・安全性
- 設置が短時間で完了
- ドリル加工、ハンダ付け、分注
- 組み立て
- ピック&プレース
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コスト効率が良く、安全で柔軟性が高い協働ロボットすなわちコボットは中小企業であっても今だかつてないほど簡単に自動化を実現します。