ビジョンシステムを活用し、省スペースでパレタイジング作業を自動化
ノルウェーの精肉加工 NORTURA社はパレタイジングの自動化を検討していましたが、スペースも予算も充分にはありませんでした。10kg可搬のUR10ロボットに天井取り付けのビジョンシステムを取り付けることで、通常必要とされるスペースの5分の1で、コスト効率が良く高性能のパレタイジングシステムを構築することができました。パレットを置いていない時間帯には、床スペースは他の用途に利用できます。
課題:
従来型のパレタイジングロボットの場合、安全柵を立てるため広い床スペースが必要ですが、Norturaのスペースは限られていました。また、生産ラインを停止することなく自動化システムを導入できることや、パレットが置かれていない時間帯にはスペースを他の目的に使用したい、という要望がありました。
パレタイジングロボットには多様なサイズや重量の箱のパレタイズに対応することが求められ、積み上げる高さもさまざまでした。ビジョンシステムを使った際でもプログラミングは簡単であることが求められ、最小限の監視でシステムが稼働することも必要でした。
ビデオ — UR10ロボット、Nortura(ノルウェー)
ソリューション:
スペースの少ないNorturaでは、安全柵を備えた常駐セルを必要とする従来型のパレタイジングロボットを使うことはできませんでした。ノルウェーのロボットインテグレータであるRocketfarm AS社は、ビジョンシステムをカスタマイズし、URの10kg可搬の協働ロボット UR10を補完することで革新的で、省スペースの自動化を提案しました。ビジョンカメラ IFM O2D222がロボット上方の天井に取り付けられ、ロボットは省スペースの架台の上に設置され真空グリッパUnigripper SMS 80-200を備えています。スタンバイモードの間、取り付けられたロボットの設置面積はわずか5m2です。床の塗装されたスペースがパレットを置く場所となります。Rocketfarm AS社のLars Bårdgard Åstveitは語ります。「パレットがない時間帯には、スペースは空いています。それはパレタイジングシステムが存在しないようなものです」
パレットが床に設置されるとビジョンシステムがそれを認識し、ベルトコンベア上を移動する箱を検出してパレタイジング作業を開始します。「今ここに箱があるのでそれをつかんでパレタイジングするようにと誰もロボットに指示する必要がありません」とÅstveit氏は語ります。 ロボットのプログラミングは、簡単にカスタマイズすることができ、エンドユーザーの要求どおりに異なるサイズの箱を積み上げることや、箱のラベルを見えるように積むこともできます。ロボットは1日当たり1700箱、毎日20パレットのパレタイジング作業を行います。
更なるメリットは、ロボットを使って前工程のエラーチェックができることです。人は箱の中身が適切に詰まっていないことに気づかないことがありますが、ロボットは箱1tずつの重量を計測するので、正しく内容物が詰められていない場合には合図を出します。「UR10はすべての適切な仕様を備えたロボットです」とÅstveit氏は語ります。「それはリーズナブルな価格帯で、他の協働ロボットにはリーチできない範囲をカバーし、必要なだけの可搬重量を備えています。またプログラミングが極めて柔軟です」
しかし最も重要な側面は人のすぐ横で安全に作動できることでした。UR10ロボットは想定されていない障害物にぶつかった際には、自動的に停止します。それが空きパレットの上に立っている人であってもです。「その能力を持っていなければ、私たちはこのロボットを使うことができかなったでしょう。」とÅstveit氏は語ります。「UR10の安全機能がなければ、この自動化は成立しませんでした」
Noturaは1直稼働の場合で、このパレタイジングシステムの投資回収は1年未満だと予測しています。さらに早期に投資回収するには、稼働時間を増やすこともできますこの自動化システムに大いに満足したNoturaは、追加のシステムを2台発注し、小さめの箱をより高速に稼働させる別の生産ラインで活用しています。
- 通常必要とされるスペースの5分の1でコスト効率が良く高性能のパレタイジングシステムを提供しました。
- これにより従業員は反復的タスクより付加価値の高い活動に集中することができます。
- 協働的で安全
- コンパクトで柔軟性がある
- コスト効率が良い
- 信頼性が高い
- コンベアベルトからボックスを取り上げ、パレット上の正しい位置に置くこと
- パレタイジングのパターンは様々な製品に応じて変わり、パレットの位置にもダイナミックに対応します。
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