URロボット導入における重要なポイント

ユニバーサルロボットのCBシリーズまたはe-Seriesロボットを導入する際には、製品の最適な運用を実現するため、以下のガイドラインに従うことを推奨します。(最終更新日:2024年02月05日)

URロボット導入における重要なポイント
URロボット導入における重要なポイント

以下のガイドラインまたはその実施方法についてご質問がある場合は、最寄りのユニバーサルロボット販売代理店またはユニバーサルロボット営業所までお問い合わせください。

免責事項:本書はユニバーサルロボットの標準ユーザーマニュアルに代わるものではなく、ユニバーサルロボットを初めて導入されるユーザーにとって最も重要なポイントを強調することを目的としています。本書は、ユニバーサルロボットを正しく設置するための注意事項のすべてを保証するものではありません。本書に記載されている設置パラメータの値は、設置の出発点となるものであり、仕様や限界値として解釈されるべきものではありません。このアプローチは、現場配備のための必要最低限の要件を提供することを意図しており、UR認定トレーニングによって知識を補完されるべきものです。導入における重要なポイントを無視すると、ロボットシステム全体の寿命が短くなる可能性があります。

注意:プログラミングの手順や方法は、ロボットが使用しているソフトウェアのバージョンによって異なる場合があります。

この記事の下に、使用可能なチェックリストの例がいくつかあります。

取り付け

a) 設置面

ロボットは、ベースジョイントの最大トルクの少なくとも10倍、ロボットアームの重量の少なくとも5倍に耐えることができる剛性のある表面に取り付けなければなりません。さらに、据え付ける際はロボットに振動を与えないことを推奨します。ロボットが動く第 7 軸に取り付けられる場合、その軸の加速と減速は非常に小さく、ロボッ トへの影響が最小限でなければなりません。

b) 環境からの保護

ロボットは IP54 の等級に適した環境に設置しなければなりません。クーラント液や金属粉を含むような液体が存在し、ロボットアームやコントロールボックスの表面と接触する可能性がある環境では、保護ロボットスーツを利用するなどの追加対策を講じる必要があります。

c) ペイロード構成

ロボットアーム先端(エンドエフェクターを含む)の荷重と重心は、常に正確に設定する必要があります。e-Seriesロボットの場合、荷重と重心ウィザードを使用して値を推定してください。荷重が設置設定タブ内で設定されていない場合、警告が表示されます。

荷重と重心位置はロボットがワークをピックアップしたり、置いたりするたびに更新する必要があります。これはスクリプトコマンド "set_payload(m, cog) "、または "荷重の設定" コマンドを使用して行います。スクリプトコマンドの使用方法の詳細については、ユニバーサルロボットのスクリプトマニュアルを参照してください。

d) ツールセンターポイント

ツールセンターポイント(TCP)はロボットのツール上の点です。各TCPは、ツールフランジの中心位置に対しての位置と姿勢に関する情報が含まれます。

以前に保存されたウェイポイントに戻るようにプログラムされた場合、ロボットはTCP をウェイポイント内に保存された位置と姿勢に移動させます。MoveLやMovePを用いてプログラムした場合、TCPはリニアに移動します。

TCPは常に正しく設定する必要があります。TCPが正しく設定されていない場合、一部の機能はツールフランジではなくTCP位置を基準に計算されるため、不要な保護停止や不要な動作が発生する可能性があります。

取り付けに関連する設定方法については、ユニバーサルロボットのユーザーマニュアルを参照してください。

モーションプログラミング

a) ブレンド半径

ブレンド半径により、ロボットは完全に停止することなくウェイポイントを通過することができ、ロボットのジョイントへのストレスを軽減しつつサイクルタイムを短縮することができます。ブレンドの追加は、速度や加速度の値を上げる前にロボットのサイクルタイムを短縮するために最初に使用する方法です。

ブレンドは、ロボットが動作を完了するために停止する必要がない場所であればどこにでも加えるべきです。ブレンド半径の推奨値は少なくとも15mm以上ですが、周囲のブレンド半径と重なるほど大きくしてはなりません。これはウェイポイントがスキップされ、ブレンドが実行されない原因となり、ロボットやアプリケーションに悪影響を及ぼす可能性があります。

b) 加速度の値

ロボットは、サイクルタイムの要求を満たしつつ、できるだけゆっくり動くようにプログラムされるべきです。加速度値を上げることを検討する前に、経路を最適化するためにブレンドを可能な限り使用してください。

加速度値は、ジョイント空間運動(MoveJ)では800°/s²、直線運動(MoveL)では2500mm/s²を超えないことを推奨します。これらの値を超えるとロボットの寿命が短くなる可能性があります。

c) 特異点

特異点とは、ロボットがTCPを希望通りに動かすことができるジョイント位置や速度値を計算できない状態です。特異点に近づきすぎると、予期せぬジョイント速度の増加や保護停止を引き起こす可能性があります。

特異点がロボットの動作に影響を与えている場合は、MoveLからMoveJに変更したり、ロボットや周囲の装置の位置を調整したり、ロボットツールの長さや向きを変更してみてください。

モーションプログラミングに関する情報は、ユニバーサルロボットのユーザーマニュアルを参照してください。

d) 保護停止

ユニバーサルロボットの保護停止機能は、ロボットの周囲で作業する人々を保護し、ロボットが周囲に過剰な力を加えることを防ぐことを目的としています。保護停止機能はロボットを保護するための停止ではないことにご注意ください。現場導入したロボットで日常的に保護停止が発生する場合、ロボットの損傷につながる可能性があるため、容認できません。

保護停止が発生した場合は、現場導入のテスト段階で対処すべきです。一般的な原因としては、不適切な荷重と重心設定、高い加速度、ワークを掴む&離す際のワークや周辺環境との衝突などがあります。

メンテナンスとトラブルシューティング

a) 推奨される点検作業

サービスマニュアルに記載されている推奨される点検作業を熟読し、点検計画に従ってください。こうすることで、多くの潜在的な故障を排除し、製品の寿命を延ばすことができます。

b) トラブルシューティング

URスクリプトのposition_deviation_warning()コマンドを使用して、プログラム実行中にロボットが計画された経路を維持するのに苦労しているかどうかをチェックしてください。閾値0.2以上において位置逸脱警告が発生しないことを推奨します。慣れないうちは、position_deviation_warning()コマンドはシステムの動作チェック時にのみ使用し、本番の運用では使用しないでください。

またロボットの寿命に影響を及ぼすような高いトルクを受けていることを示すエラーC173とC174に注意してください。pause_on_error_code() コマンドを開始前シーケンスで使用することで、高トルク動作が発生している場所の特定に使用することができます。

ログビューアは、エラーの発生を確認し、ロボットのパフォーマンスを評価するために使用することができます。インストールとスタートアップの手順については、サポートサイトをご覧ください。

メンテナンスとトラブルシューティングに関する情報は、ユニバーサルロボットのサービスマニュアルをご覧ください。

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