家具業界では、メーカーがサンディングや研磨にロボット導入を検討するとこんな反応が多く見られます。無理はありません。厚板を椅子の背として成形したり、(キッチン)キャビネットの扉やヘッドボードの仕上げにサンディングをしたりといった作業は、あまり自動化が進んでいませんでした――ただしそれも最近までのこと。
安全柵や複雑なプログラミング、数量の多さが条件となっていた従来の産業用ロボットはこの業界に最適とは言えません。でも、協働ロボットを活用する木工・家具・キャビネットメーカーは増えています。大型の産業用ロボットが柵に囲まれボルトで固定されているのに比べ、協働ロボットはキャビネット工場の作業場にある他のツールと同じように、さまざまな機械や工程に使い回せるのです。
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働き手が見つからない
分野を問わず、製造業を担う働き手は不足しています。それが単調・汚い・危険なポジションであればなおさらです。米国労働統計局の報告によると、アメリカだけでも毎日1万人のベビーブーム世代が引退している一方、若い世代は製造業の単調・汚い・危険な仕事にはあまり関心を示しません。こんにち、アメリカで製造業の求人が70万件以上決まらないままというのも納得です。
木工製品一般やキャビネットメーカーは特にその痛手を受けています。Woodworking Networkによると、木工メーカーの80%が働き手の確保に課題を抱えています。また全米製造業者協会は、製造を担う熟練工の採用と維持が同業界最大の悩みであると報告しています。
最大の悩みは何か?
会社によってそれぞれ事情は異なりますが、キャビネット工場や家具工場に共通する労働力の最大の悩みはサンディングでしょう。手動でのサンディングは単調・汚い・危険の代名詞です。変化がわずか、または全くない単調な繰り返し作業です。作業員はホコリまみれになり汚れます。そして、環境上の理由や、手根管症候群や反復性ストレス障害を患う可能性が高いという点で、危険でもあります。
今年の夏開かれたAWSF見本市(Association of Woodworking & Furnishing Suppliers)で、私たちのブースに寄ってくれたオーナーや生産マネージャが話を聞かせてくれました。サンディングには必要とする数より40%多く人員を採用する。なぜなら毎日無断欠勤があるから。採用候補者を多く確保するためドラッグ検査はやらない。伸びしろのある若い働き手を、サンダーからのスタートにしても呼び込むことができない。有能な職人であるキャビネットビルダーからの抵抗にあう。かれらはサンディングをしたがらない。そして相次ぐ労災申請。ブースを訪れた人々の大半は、すべて解決できるソリューションがここにあるかもしれないと知って、とても驚いていました。
サンディング協働ロボットの登場
協働ロボットは、キャビネットや家具製造でさまざまな工程に使えます。例えばNCルーターやノコギリ盤、サンダーなど加工機械のロード/アンロード。接着剤やシーラーの分注。自動ネジ締めやサンディングなど、部品の組み立てでも活躍します。UR+プログラムでは、ユニバーサルロボットのパートナー企業が開発したサンディングヘッドがいくつも見つかります。UR+とは、URロボットとシームレスに統合できると認証を受けたサードパーティのコンポーネントやアプリケーションキットを取り揃えたプログラム。幅広い製品が選べ、急拡大しています。現在UR+ではサンディング・研磨に特化した製品を20種以上扱っています。詳しくは便利な用途別ディレクトリをご覧ください。ユニバーサルロボットの協働ロボットe-Series には内蔵フォースセンシング機能もあるため、サンディングの圧力を一定に保ったまま、どんな人間の作業員よりも正確に仕事をします。
多品種少量生産で悩んでいませんか?
私たちは多品種少量生産がどんなものか知っています。下請けの機械加工業者から金属組み立て業者、射出成形業者、下請けの梱包や組み立てまで、ユニバーサルロボットは汎用性と設置のしやすさを強みに、自動化の可能性を中小企業に広げました。
協働ロボットが家具産業の自動化にどう貢献できるかを、ホワイトペーパー「協働ロボットと彫り出す、木の心」で詳しく紹介しています。またオンデマンドのバーチャルイベント「協働ロボットエキスポ:材料除去と表面仕上げ」では、プレゼンテーション、デモ、新製品発表がご覧いただけます。