Jeff Kondel氏は、数年間さまざまな技術職やロボット関係で働いた後、自分は変わらなければならないと決断しました。そこで家族と一緒にインディアナ州からフロリダ州に引っ越しましたが、この挑戦が自分をどこに導いていくのか不安でした。ところが、それほど待たなくても大丈夫でした。ある晩、技術者仲間と情報交換するうちに、地元の短期大学のロボット工学のクラスで学生達がどのようなことを学んでいるのかチェックしてきてほしいと頼まれたのです。それが新たなキャリアに向けた第一歩になるとは知らずに教室を訪れたKondel氏は、旧式で時代遅れのシステムでロボット工学を勉強している学生を見て驚きました。なかには、製造現場ではもう何年も前から使用されていない物もありました。その懸念を伝えると、大学側から学生を然るべき方向に導いてくれないだろうかと打診されました。Kondel氏は、「はい」と答えている自分を発見し、そして、「ロボット操作オープントレーニングシステム」(Robotically Operated Open Training System、略して「ROOTS」)が誕生したのです。
コボットがROOTSカリキュラムをサポート
ROOTSエンジニアリングサービスへのコンサルティングの依頼がフロリダの他の大学や高校、また中学からも舞い込むようになり、Kondel氏はURコボットをベースにしっかりとしたカリキュラムを組み立てました。「学生達にインダストリー4.0やロボット工学を教えるなら、学生は一から現実の世界のシステムを組み立てられなければなりません。雇用する側の企業は学生が自分で作った実際の成果を見ようとします。URはプログラミングサイドから開発時間を大幅に短縮する機会を提供するのです」とKondel氏は語ります。
フロリダ州マナティー・テクニカル・カレッジの学生Andoni Goitizさんは、彼のチームがUR3アプリケーションを製作した様子を説明します。学生達は、センサーやアクチュエータを使ってシステムの手動操作を減らし、ブロックの位置、状態、構成までも感知するスマートなシステムに仕上げました。
URを使うことで、学生は3分の1のトレーニング時間でロボット工学を学ぶことができるとKondel氏は予測しています。「URコボットは使いやすく、プログラムもシンプルで、少ないリスクで協働作業ができます。実際、学生が自分でコボットを設置できるくらい理解しやすいのです」とKondel氏は話しました。
離陸
以前は授業のほとんどの時間を、学生主導のプロジェクトではなく機器のトラブルシューティングに充てていましたが、今ではトレーニング時間の短縮が求められ、各学期で学生が勉強する内容は増えています。ROOTSプログラムでURコボットを使用するということは、学校の施設管理部の担当も無料のOnline UR Academy classes(オンラインURアカデミークラス)を受講できるということでもあります。自分達でも操作を覚え、簡単な調整やメンテナンスができるようになりました。こんなことは他のどのロボット会社も提供していません。学校側は、システムインテグレーターにに支払うべき年間約15万ドルのコストが節減できました。
UR3は、箱から出して台に載せ、電源スイッチを押せばすぐに使えます。学生は、以前に経験した他のロボットソリューションの3分の1程度の時間で操作を習得できます。
フロリダ州マナティー・テクニカル・カレッジ(MTC)のアドバイザー役として始まったものが今では大きく広がり、向こう半年以内にフロリダ州内外でさらに20校に参入する計画です。近い将来には、できれば全米に展開していきたいと考えています。
最近、MTCの3人の学生が新卒でフロリダのSun Engineering社にかなりよい給料で就職しました。Kondel氏が教えた学生の多くの両親から有難いプログラムだと感謝され、Kondel氏や講師に礼を述べようと来校し、ときにはハグまでするほどでした。
「その日の終わりに、仕事と授業を然るべき方法でまとめようとしました。ところが、メンテナンスがほとんどいらず簡単に組み込める工業グレードのURコボットなくしてはできなかったでしょう。コボットが本プログラムの一部であることにわくわくしますし、全国に普及しURからコボットをもっと購入することを楽しみにしています」とKondel氏は語りました。
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