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フランスでリオ五輪をテレビ観戦した視聴者は、Universal Robotsの提携会社Augmented Robotics(AR+)がロボットを使ったダイナミックなカメラワークを楽しみました。フランスのラヴァルにある同社は、オペレータフリーのカメラソリューションとしてUR10ロボットアームを同社独自のソフトウェアと組み合わせました。このソリューションでは、カメラをガントリーシステムやドリートラックシステムに取り付けることで、主に狭い場所での撮影作業や正確で反復的なカメラの動きが可能になりました。
フランスのテレビ局、FTVは、このシステムをリオデジャネイロ五輪の水泳競技と陸上競技で使用しました。A R+社のPascal Gautier CEOから支援を受けて、システムインテグレータのX-D Motion社がこのシステムを設置しました。
「UR10は、最大8キロのカメラをバランスを保って搭載できるため、私たちが使用できる唯一のアロボットームになっています。ロボットの動きはきわめて正確なので、単純なものでも複雑なものでも、広角撮影をするのに最適です。放送作業時に必要な静粛性も十分に備えています。私たちはロボットアームに革製スリーブを取り付けて、放送環境に適した光沢のない黒い表面に仕上げています」とGautier氏は語りました。
なぜFTVはこのソリューションを選択したのでしょうか? このシステムを設置するにあたって何か驚くような興味深い展開があったのでしょうか?
「FTVが抱えていた問題は、作業スペースがきわめて限られていたため、従来のクレーンを使った撮影方法がとれないということでした。UR10の長所はコンパクトであることです。私たちはUR10を三脚に固定してどのようにも動けるようにしました。FTVのディレクターも、どんな角度からでも撮影できるようにしてくれたことを高く評価してくれました。ディレクターによればループモード時でも映像品質が低下することはなかったそうです」とGautier氏は付け加えました。
AR+社は、米国のRiot Games、ロシアのRenTV、スロバキアのMarkiza、そしてフランスのTVニュース局iTéléおよびLCIと協力して、URで補助されたカメラ操作に取り組んでいます。またAR+社は、9月9日〜13日にアムステルダムで開催される、世界最大規模のAV機器展示会である国際放送展(IBC)に出展することになっています。
IBCは、2014年にAR+社のカメラ・ソリューションの最初のプロトタイプが発表された場所です。Universal Robotsの南ヨーロッパ担当統括責任者Jacob Pape Pascual氏は、2013年にAR+社がフランスのテレビ局の技術者と共同でこのソリューションに取り組み始めた頃のことを詳しく語ってくれました。
「AR+社との共同作業に大きな関心が集まっているのは、製造業以外の分野で産業用ロボットを利用できることを当社が実証しているからです。それにより、以前であればロボットの利用を視野に入れていなかった業種でも、今では自動化についての認識が高まっています」
これはUniversal Robotsのロボットがカメラワークに使用された最初の事例ではありません。2014年にニューヨーク市のメトロポリタン美術館はURロボットを対話型ディスプレイに使用し、カメラを回転させてファッションガウンに焦点を当て、同時にその映像をギャラリーの壁面に映し出すようにしました。