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エレクトロニクス分野でのコボット活用 一問一答
ロボティクスの活用は数十年にわたり自動車産業が圧倒的にリードしていました。でも今は事情が違います。2016年にはエレクトロニクス業界に対するロボット販売が40%増という大幅な伸びを見せ、自動車業界に並ぶようになりました。しかもこの流れはまだ拡大中です。このような劇的な変化を背景に、疑問も聞かれるようになりました。疑問の多くは、自動化分野で最も急拡大している領域、協働ロボット(コボット)についてのものです。
かなり自動化が進んでいる製造設備でも、人間の手作業が今も残っており、アウトプット、品質、コストに影響を与えています。先ごろ私たちはECN誌と共に、エレクトロニクス分野の組立てにおけるコボット利用についてのウェビナー(オンラインセミナー)を開催し、その中でエレクトロニクスメーカーが抱える喫緊の課題について見解を述べました。例えば、すでに手狭な製造現場にどうやって組立てロボットを配置するか、どの作業を自動化したら最善のROI(Return on Investment 投資利益率)が得られるか、狭いスペースで自動化をする場合作業員の安全をどう守るか、といった課題です。ウェビナー参加者は、コボットは設置面積が小さく、柔軟性があり、作業員の近くでも安全に稼働すること、投資回収期間が短いことなど、自動化の課題解決に役立つ情報を得ていました。
全てのご希望をかなえます:短期での投資回収も、小さな設置面積でのエレクトロニクス組立て自動化も
私たちは先ごろElectronic Component Newsとウェビナーを開催し、エレクトロニクス業界でのコボット活用の可能性を探りました。
ウェビナーはオンデマンドで全編ご覧になれます。コボット導入による競争力向上をすでに検討している企業から具体的な質問が挙がりましたので、回答を以下に紹介します。
コボットは複数軸でエレクトロニクス製品の組立てができますか?
エレクトロニクスの組立てで共通して必要なのは複数軸で基板を扱う能力ですが、そんな場面にこそ6軸コボットが最適です。コボットは組立てラインから基板を取り筐体に取り付けることもできます。多くの場合、一つの端を正しい向きに挿入しますがそれも可能です。基板を回して筐体に入れ、所定の位置に適切な力でスナップ留めします。コボットは筐体の上に蓋を置くことも、ドライバーでネジ留めしてそれを閉じることもできます。複数軸コボットに適した作業は他にもパネル基板のスナップを外して切り離す、試験治具に基板を取り付ける、取り外す、などがあります。
スペインのContinental Automotive社ではRobotiq社のデュアルグリッパーを取り付けたURロボットを採用した結果、PCB基板のピック&プレースのハンドリングタイムが半減しました。
コボットは、例えば圧入組立て作業などで、別のコボットと協働できますか?
コボットは協働を目的に設計されています。それは相手が人間でも、他の自動化装置でも他のコボットでも同じです。組立てラインでの、人間の作業員にとって退屈な反復運動障害の原因になるような作業(基板のスナップ切り離しやコネクターの圧入など)はコボットに最適な仕事です。組立てでは接着にもコボットがよく使われます。接着ビードを一定の量で正確に分注できるかが品質を大きく左右することがありますが、プログラムすればコボットがこの作業も実行できるからです(こちらの動画ではCreating Revolutions社が行っている、コボットを活用したエレクトロニクス組立てラインでの接着作業をご覧になれます)。
ロボットを設置したセルをいくつも並べ、それぞれに異なる作業をさせてボードを隣の組立てセルに渡して行く、といったことも簡単にできます。コボットは柔軟性がありプログラミングが容易なので、製造ニーズの変化に応じて別の作業のために再設置することも短時間でできます。共通の作業用のプログラムは保存できるのでセットアップにかかる時間も最短に抑えられます。
コボットはここが違う
アメリカ、ナッシュビルにあるScott Fetzer Electrical Group社(右)では、URコボットを台車に取り付けて複数の作業に使っています。通常柵の中に固定され一つの作業のためだけに使われる従来の産業ロボットとの大きな違いです。
コボットに、ビジョンシステムやアームエンドツール(End of Arm Tooling = EOAT)を実装する際、サポートしてもらえますか?
URコボットは弊社代理店を通じて販売しています。代理店の多くはビジョンシステムやEOATも販売しており、エレクトロニクス産業向けの実装技術や経験も豊富です。私たちはURロボットのソフトに対応する認定周辺機器、アクセサリー、ソフトウェアが揃った独自のエコシステムも開発しています。UR+オンラインショールームで、幅広いラインナップをご覧いただけます。
コボットに、ESD(Electrostatic Discharge静電放電)対策は取られていますか?
私たちは、URコボットが発するESDから他の機器を守るためIEC 60001-6-4に適合するよう製品の設計・試験を行っています。URコボットが取り扱う部品を守るには、人間のオペレーターを守るのと似た措置が適しています。アームエンドツールの素材や設計を考慮し、コボットと作業対象の部品が同じ電位になるよう、アームエンドツールにアース用ストラップを着ける場合もあります。
外部ESDからURコボットを保護するためには、IEC 61000-4-2試験に適合するよう製品の設計・試験を行っています。URコボットの製造・試験の仕様一覧はUniversal Robotsウェブサイトのサポートページにあるユーザーマニュアルでご覧になれます。
他にもエレクトロニクス製造でのコボット活用についてご質問があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。弊社ウェブサイトのエレクトロニクス産業のページで導入事例を多数紹介しています。ウェビナーについてもぜひ詳細をご覧ください。
自動化の課題を解決しましょう
マシンテンディング、最終組立て、基板試験、品質管理、修理調整、パッケージング
エレクトロニクス産業は全体としてかなり自動化が進んでいるものの、コボットで解決できる課題はまだまだたくさんあります。
コボット活用の準備は整いましたか?
URの無料eブックをぜひダウンロードしてご覧ください。