多くの地域で電気代が値上がりし製造コストを圧迫するなか、メーカーは電気代の高騰回避のために工程を精査するようになりました。URの協働ロボット(URロボット)は従来の産業用ロボットに比べ省電力。では具体的にどの程度エネルギー効率がよく、節電にどう貢献するのでしょうか。
URロボットは、従来型産ロボよりも省電力
従来型の産業用ロボットを協働ロボットと比較すると、大きさがまず明らかに違います。協働ロボットは人のすぐとなりで働けるよう設計されていて、多くの従来型ロボットよりもずっと小さく軽量です。そのため、三相電源を使う従来の産業用ロボットに比べ消費電力が少ないのです。
URロボットの消費電力は家庭用ミキサー程度
協働ロボットは消費電力のほとんどを、それ自体を支えるために使っています。実は、URロボットが必要とする電力は日常使う家電と同程度なのです。UR3eの平均消費電力は平均的なデスクトップコンピュータと同じ100Wです。これは人が自転車を漕いで発電できる電気量とも同じです。UR5eと最新型のゲーム機はどちらも同じく約200Wを消費します。可搬重量12.5kgのUR10eや同16kgのUR16eの平均消費電力は350Wで、一般的な家庭用のミキサーと同等です。最新モデルUR20は消費電力500Wで20kgのワークを運べます。こちらは最も効率のよい洗濯機と同程度になります。
家庭でも使えるURの協働ロボット
従来型の産業用ロボットと異なり、URロボットはどこの家にもあるものと同じコンセントにプラグを差せば使えます。また、協働ロボットは電池でも動きます。URロボットにはすべて、電源コンセントにつなぐ必要のないDC電源タイプがあります。ユニバーサルロボットの関連会社MiR社が製造する自律移動ロボット(AMR)の電池で協働ロボットを稼働させることも可能です(協働ロボットがAMR上に設置されている場合)。
エネルギーのムダをなくしてアウトプットを最適化
協働ロボットを導入後、電力をムダにせず最大限まで活用していることを確認するにはどうしたらいいでしょう。URロボットには、エネルギー効率がよくなるよう始めから稼働時間の最適化機能がついています。とはいえ、協働ロボットに新しいプログラムを作成する際は、ロボットの加速度を考慮して、速度を必要以上に上げないようプログラムすることも検討してみましょう。UR+エコシステムには、たびたび現場に足を運ばなくても協働ロボットの動作を最適化できるさまざまな遠隔監視ソリューションが揃っています。協働ロボットは省電力ではありますが、ある程度長い期間使用しないときのために、簡単な「オン・オフ」ボタンをプログラムすることもできます。夜間に協働ロボットだけが稼働するときは、製造エリアの照明や暖房に電気を使う必要もありません。