ユニバーサルロボット(UR)は400社を超えるサードパーティ企業と協力し、お客様が可能な限り簡単に協働ロボットを使えるよう努めています。それを可能にしているのがUR+。認証済み周辺機器とアプリケーションキットを取り揃えたエコシステムです。UR+は協働ロボット業界最大のエコシステムであるだけでなく、迅速・簡易な自動化を実現します。
私は2021年2月、UR+エコシステム欧州担当マネージャーとして、このすばらしい協働ロボットコミュニティに加わりました。私の仕事は、UR+認証プロセスの商業トピックを紹介し、ヨーロッパのパートナー企業の案内役になることです。最終ゴールは、新たな優れたUR+コンポーネントやアプリケーションキットを発表・提供してお客様の目的達成に役立ち、成功を共有することだと常に心に留めています。
URに加わる前は、ロボット工学と自動化のジャーナリストとしてURの成長を外から見ていました。その間、幸運にもユニバーサルロボットの発祥の地であり本社所在地でもあるデンマーク、オーデンセを何度か訪ねる機会がありました。街の活気に触れ、そこで多くのロボットマニアたちに出会った私は、以来この会社で働きたいと夢見るようになりました。今回UR+について、またこのエコシステムが協働ロボットのユーザーエクスペリエンス向上になぜ大いに役立つのかをお伝えできて、うれしく思います。
この話題について語るのに最もふさわしい人物、UR+エコシステム担当グローバルヘッドのアーリー・ユーイングを訪ね、この1年でカスタマーエクスペリエンスとカスタマーフォーカスがどのように進化したか、また常に新しい視点を歓迎しているのはなぜかについて、語ってもらいました。
この1年でUR+エコシステムの何が変わりましたか?
A:まだ1年ちょっとしか経っていませんが、2020年3月にUR+認証アプリケーションキットが発表されたことは大きな変化で、これにより中心となるものが変わりました。これら製品のおかげで、プロセスごとのアプリケーションなど、実際の工程における課題を解決する能力がさらに上がりました。これは、URがロボットツールフランジの枠を超え、問題解決思考をはじめていることを示していて、非常に重要なマイルストーンと言えます。これは単なる技術イニシアチブではなく、UR+パートナーコミュニティが持っている工程に関する深い知識を製品化する、という側面もあります。私たちは(当初)面白いアプリケーションキットを構想していました。でもやがて、社内のシステムインテグレータ(SI)たちの関与も大きいことに気付きました。SIはお客様が必要としているものを具体的に知っているからです。インテグレータにとって、UR+のアプリケーションキットで協働ロボット市場に対応するのはごく当たり前のことになっています。スケーラブルな製品ソリューションが作れるからです。かれらは自分の分野の専門知識を、お客様にとって価値があり、なじみやすいものに変換できるのです。私たちのUR+チームも昨年の1年間で進化しました。主要地域で拡大を遂げ、グローバルで多様性のあるチームを築きました。このプログラムはいい人材がよく集まってきます。このエコシステムが成長するにつれ、新たな視点も求められます。個人的には、その点が一番わくわくします。
Q:コロナウィルスはUR+エコシステムに影響を与えましたか?
A:もちろんです。最大の変化は、サイトテストの方法が突然制限されたことでした。私たちは定期的にパートナーを訪問して最終認証をしていたのですが、それができなくなりました。パンデミック初期の短期間はそれが困難でしたが、今はそこから回復しリモートでテストと認証ができています。配送先を変えたり、リモートテスト用実験室を自社に作ったりなど、いろいろ工夫しました。
重要なのは、製品認証プロセスの精査のレベルが維持できたこと、また今やそれが向上したことです。効率アップの方法はたくさん学びました。パートナー企業を訪ねる機会がまたできたら、そのときは効果を損なうことなく簡単に精査(レベル)を上げることができるでしょう。
リモートが合理的である場合には、リモートでいろいろな作業を素早く実施できます。これは私たちのポリシーにも影響を与えるかもしれません。とはいえ、UR+パートナーとまた顔を合わせて充実した時間を過ごせることを楽しみにしています。
Q:UR+エコシステムではその他にも、協働ロボットユーザーに関係する変化がありましたか?
A:2021年2月には、SICK社が作ったUR+で初めての安全性関連製品を発売しました。この展開が意味するのは、私たちが主要パートナーと協力して新しい分野にもプラグアンドプレイ機能を広げ、ソリューションの新たな側面に対応し始めたということです。さらにUR+のショールームウェブサイトもアップデートしました。これで、エコシステムが急拡大するなかでもパートナー製品を効果的に展示することができるようになりました。例えば、サイトには新たな絞り込みオプオションが追加されました。お客様は、より大きなポートフォリオを見て、そこから必要なものを迅速に探せます。
Q:UR+の製品やアプリケーションキットのなかで、驚かされたものはありますか?
A:はい。SICKの安全ソリューションとその品質には驚きました。SICKはユニバーサルロボットにとって非常に重要なパートナーで、協働ロボットの安全性に対して私たちは共通の認識を持っています。互いに学び合い、最終的に非常に高品質な製品ができました。効果的な協力関係の好例と言えるでしょう。協力は私たちのエコシステムで常に大切にしている要素です。こうすることで、お客様に深い知識を紹介することができるのです。
もう一つ私が感心したのは、アプリケーションキット関連の成功事例の大きさです。今後のアプリケーションキット分野における私たちの可能性を考えるとき、この点は心強いです。アメリカのシステムインテグレータVectis Automation社はその好例です。この企業はUR+の溶接アプリケーションキットを発売して、溶接市場で大成功しています。このパートナーは、アプリケーションキットを導入すれば、インテグレータとして成功するチャンスがあるということを示してくれました。
Q:UR+チームはこれまでに300近くのUR+製品と、50以上のアプリケーションキットを発売してきました。好きなものはありますか?
A:いいえ。私が好きなのはお客様の課題を解決するUR+製品です。優れたソリューションとなる製品はたくさんあります。でも最先端技術や最新のプレスリリースが重要なのではないのです。製品がお客様にどう貢献するかが重要なのです。
Q:次は何が起きるのでしょう?今後の計画について教えてもらえますか?
A:私たちは、より優れ、よく開発された製品をエコシステムで提供し、そうすることでお客様の目的達成とプロセス改善を支援することを常に重視するという、変化し続ける目標に取り組んでいます。つまり、私たちは工程や用途をよく理解し、それに沿って取り組みの優先順位をつけていくのです。その推進を目的に、UR内の他の製品やアプリケーションのチームと協力する機会が増え続けていて、これにはわくわくしています。また、引き続き品質重視もさらに強めていきます。そのために研究開発グループとパートナーとをつないで、さらに優れた、さらに堅牢な製品をエコシステムで提供していくつもりです。