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品寿命の耐久試験はどのようにしたらいいでしょうか? 製品が安全と品質のすべての基準を満たすには? そのために試験が行われます。試験は何度も何度も繰り返されます。
製品試験ほど繰り返し行われる作業は他にありません。それは、汚い(Dirty)、危険(Dengerous)と並ぶ「3D仕事」のひとつ――退屈(Dull)な仕事であり、ロボットが得意とする仕事の一つになっています。
現在、協働ロボットが製品試験に使用されることがますます多くなっていますが、この種の自動化のおかげで、試験環境の有効性が最大限になり、従業員の生産性と労働環境が改善され、企業は利益を高めると同時に、従来よりずっと早く製品を市場に出せるようになっています。
食器洗い機の耐久試験の例にとりましょう。従来は人間が食器洗い機に食器を入れて作動させていますが、これは非常に退屈でつまらない仕事です。食器洗い機が原因で故障するまでに食器の搬入作業が何回でも繰り返される試験のことを想像してみてください。
ドイツのシュトゥットガルトにあるFraunhofer IPAの科学者は、Bosch Siemens Hausgeräte社のためにこの退屈な作業を代行する可動式協働ロボットシステムを開発しました。
プログラミングされたUniversal Robotsのロボットが、耐久試験のために食器を搬入して食器洗い機を作動させている様子をご覧ください。現在では洗剤を食器洗い機に入れる作業から内部のバスケットを試験する作業までの工程が自動化されていて、多くのメリットをもたらしています。それにより従業員は反復作業から解放されました。また、作業が標準化されたことで、常時、試験を制御できるようになっています。
研究機関への導入
協働ロボットは組み立てや統合が容易で、柔軟性があり、動作精度が高いので、研究機関に導入して試験や分析などの複雑な作業を行わせることができます。
研究機関では、精度がとても重要な、要求の厳しい研究プロジェクトを自動化するために協働ロボットが利用されています。ロボットは、安定的に、反復的に、かつ最小限の偏差で、精密なプロセスと事前定義されたワークフローに従うことができるので、研究と分析に最適な条件を与えてくれます。それによって科学者と研究者は時間の余裕ができ、プロジェクトの他の領域に時間を費やすことができます。
カナダのロボット・グリッパーのメーカーであるRobotiq社は、同社製の2-Finger Adaptive Gripper 85アプリケーションを使用した製品試験ソリューションの導入がどれほど効率的に行われるかを実証しています。ロボットとグリッパーの設置から、軌道のプログラミング、製品試験、データ収集に至るまで、このアプリケーションの導入は容易であり、製造ラインの中断時間はほとんどありません。
中国の競合他社に打ち勝つ
テネシー州のScott Fetzer Electrical Groupは、Universal RobotsのUR10を使用してデータ収集および新しい設計の寿命試験を行っています。顧客製品に内蔵されている同社製の小型モータを試験するために協働ロボットがプログラミングされています。ロボットは、製品のスイッチをオン/オフしてモーターを1分間動作させた後に30秒間停止させる作業を400時間にわたって繰り返すように設定されています。
このプロセスの間に、協働ロボットは製品の品質と性能に関する関連データを収集し、その情報をデータ記憶装置に送信し、そこでデータの分析が行われます。従業員がこの作業を同じレベルの一貫性と精度で行おうとすれば、何時間もかけて繰り返さなければならない非常に辛い作業になります。
Scott Fetzer Electrical GroupのMatthew Bush事業本部長は、試験のプロセスに協働ロボットを使用することは同社にとって大いに役立っていると語りました。
「それによりわが社は試験の面でも顧客の関心を引くことができました。わが社が新しいテクノロジーを使って設計から製造までの期間を短縮しているのを見て、顧客はとても興味を示すのです。それによりわが社は、海を越えて遠く離れた人件費の安い国々の競合他社よりも優位に立っています。わが社は現在、受注量で中国の競合他社を上回っており、これまで中国に委託していた作業も国内に取り戻しました」
製品試験の自動化によって生み出される競争優位性とビジネスチャンスを想像してみてください。
このテクノロジーを貴社の業務にどのように応用できるでしょうか。