Arcam Robotics system
テレビ局のスタジオで活躍するURロボットを活用したカメラシステム
01概要
AR+社は、ロボティクス、ハードウェア、ソフトウェアなどカメラ制御ソリューションの新技術開発を手がけ「Arcamロボティクスシステム」を提供しているフランスのスタートアップ企業です。このシステムはユニバーサルロボット(UR)のUR10、専用コントローラ、ユーザーフレンドリーなソフトウェア、放送カメラで構成され、その革新性と優れた柔軟性により、すでにヨーロッパや世界のテレビ局から高い評価を得ています。
02課題
テレビディレクターは日々膨大な数のカメラワークを行い、より少ない人数で番組を作る必要に迫られています。ということはつまり、複数のカメラを同時に操作し時にはそれを繰り返すというきわめて厳しい作業をこなさなければなりません。そのためにはプログラミングが簡単で、人のすぐそばでも安全に作動するロボットが必要でした。そうすれば、どのユニットのカメラでもすべて制御できるシステムが作れ、制御室の作業が簡略化されるからです。ひいてはカメラ制御はオペレーターが一括して担うことができディレクターは番組独自のスタイルを作ることに専念できるようになるというわけです。
03ソリューション
「わが社のソリューションのどこが際立っているかというと、直感的でユーザーフレンドリーなソフトがあることです。それを作ったからこそ、再現性や精密さといったこのロボットならでの性能を最大限に発揮することができるのです」。AR+社のCEOで共同創業者のPascal Gautier氏はこう説明します。
AR+社は産業用ロボットに搭載したカメラの動きを制御する、ユーザーフレンドリーなツールを開発しています。いくつものテストを経て、彼らはユニバーサルロボットの6軸ロボットアーム UR10を選びました。市場に出ている製品の中でこれが最良だと考えたからです。軽量でプログラムも簡単、かつテレビ業界のニーズにも対応できるAR+社のソリューションには特別設計のジョイスティックアプリケーションが付属し、ユーザーは異なる中間地点を通るループを作成できます。
AR+社のCFOで共同創業者のDominique de Savignies氏によると「この技術のおかげで制御室のオペレーターのワークステーションがずっとシンプルになり、以前なら難しかった複雑な動きも簡単にできるようになりました。無限に反復するパスを自分でプログラムしたり、それを各番組向けに完全に自動で保存したりすることも可能です」
UR10ロボット Arcamロボティクスシステム(フランス)
04 ARCAMロボティクスシステム
3年の開発期間を経て誕生したARCAMロボティクスシステムは現在各国の大手テレビ局で採用されています。アメリカのRiot Games、中国のCTV、ヨーロッパ各国(ベルギー、ハンガリー、スロバキア、スイスなど)、フランスのLCI、Equidia、Les Echos-Le Parisienのほか、Cnews、InfosSport+、Canal+では発売当初から採用されています。テレビ局がAR+社のソリューションを選んだ大きな理由はその使いやすさでした。それが可能なのもシステムに組み込まれているURロボット自体のプログラミングがとても簡単だからです。
Canal+グループの事業部長Laurent d'Auria 氏は次のように語ります。「このツールのおかげで芸術的な付加価値を増やせるようになりました。これは言うなれば『永久に異なる動きを続ける、無限の再現性を持ったカメラ』です。生放送中でも再録画や修正が追加の労働コストなしでできます」。AR+社はCanal+のオペレーターと協力して自社制御ソフトのユーザーフレンドリー性を高め、ソリューションに定型の動きをプログラムできるように、またオペレーターがカメラビューや照明などで忙しい際に入力なしでも作動するようにしました。「このチャンネルではオペレーターが直接ロボットを制御し続けなくてもいいように、単独オペレーターモデルを採用しています。無限に動きを再生できるのは絶対的な長所です」とドーリア氏は述べています。
AR+社はフランス以外のヨーロッパにおけるARCAMロボティクスシステムの販売でパナソニックと提携しています。つまりテレビ局に対し、スポーツ、コンサート、イベントやストップモーションの撮影に秀でたパナソニックのカメラを組み込んだ完全ソリューションを提供できるのです。
- 6軸ロボットUR10、放送用カメラ、ユーザーインターフェースからなり、制作システムに対応したARCAMロボティクスシステムをAR+社が開発
- 複数のカメラを同時に制御でき、長期的にはオペレーターのニーズに合わせて新しいモデルに差し替えることも可能
- 投資回収期間7ヶ月
- 採用されている協働ロボット: UR10
- 技術の最適化
- 人間の能力活用の最適化(オペレーター、ディレクター)
- 短い投資回収期間
- カメラモーション
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