
1年未満で投資を回収し生産効率を30%向上
大がかりでコストのかかる安全柵を必要としないことも、協働ロボットの導入効果を高める要因となりました。
「当初は投資回収まで16か月ほどかかると見込んでいましたが、実際には1年未満で回収できました」とGriffin氏は語ります。
現在ではライン全体の生産効率が約30%向上。ラインの稼働に必要な人員が減り、その分の人材をほかの工程や製品の生産に配置できるようになりました。
その結果、1週間に生産できる製品は従来の2種類から4種類へと倍増しています。


ドリルやナイフシャープナーを製造するDarexでは、生産ラインに反復作業や身体的負担の大きい作業が数多く存在していました。
そこで、ねじ締めや箱の組立工程にユニバーサルロボットの協働ロボットを導入。最初の導入をきっかけに、複数の工程を担う本格的な自動化ラインへと発展させました。
各工程はユニバーサルロボットのインターフェースを使ってプログラミングされており、自動化システム全体をDarexが社内で構築しています。
オレゴン州アッシュランドに拠点を置くDarexは、4世代にわたって続く家族経営のメーカーです。同社では、人員を増やすことなく生産量を拡大する必要がありました。
「基本的には、同じリソースでより多くの製品を生産する必要がありました」と、Operations DirectorのJohn Griffin氏は語ります。その背景には、アッシュランド地域における人手不足がありました。
さらに、限られた生産スペースを有効活用することも重要な条件でした。
「生産エリアが限られているため、独立したロボットセルを設置するのではなく、既存の組立ラインにそのまま組み込めるソリューションを探していました」とGriffin氏は説明します。
自動化の対象となったのは、ナイフシャープナーの樹脂製ハウジングを組み立てるねじ締め作業と、箱の組立および製品の箱詰め作業です。
箱の組立工程では、専用の箱組立機を導入する選択肢も検討しました。しかし、対応できる箱のサイズが限られることが課題でした。
「専用機では対応できる箱のサイズが限られ、柔軟性に欠けていました。私たちは、もっと汎用性の高い方法を求めていました」とGriffin氏は語ります。
Griffin氏は、展示会でユニバーサルロボットの協働ロボットを何度も目にしていました。
「プログラミングが簡単そうでしたし、ロボットメーカーではない企業のブースでも、このロボットが使われていました。それを見て、『これほど幅広く使われているロボットなら間違いない』と感じました」と振り返ります。
UR協働ロボットが幅広く採用されている理由の一つが、安全性に配慮した機能です。動作中に人や障害物との接触を検知すると、ロボットアームは停止します。
適切なリスクアセスメントを実施することで、安全柵を設けずに運用することも可能です。
「これにより、大がかりな安全柵を設置することなく、作業者がロボットのすぐ隣で作業できるようになりました」とGriffin氏は語ります。
John Griffin, Operations Director現在では、生産効率が約30%向上しています。ラインの稼働に必要な人員を減らし、その分の人材をほかの工程や製品の生産に配置できるようになりました。以前は週に2種類の製品しか生産できませんでしたが、現在では4種類の製品を生産できるようになっています」

大がかりでコストのかかる安全柵を必要としないことも、協働ロボットの導入効果を高める要因となりました。
「当初は投資回収まで16か月ほどかかると見込んでいましたが、実際には1年未満で回収できました」とGriffin氏は語ります。
現在ではライン全体の生産効率が約30%向上。ラインの稼働に必要な人員が減り、その分の人材をほかの工程や製品の生産に配置できるようになりました。
その結果、1週間に生産できる製品は従来の2種類から4種類へと倍増しています。
ナイフシャープナーのねじ締め工程は、Darexが自動化に取り組む最初の工程として適していました。
「以前は、作業者がエア式ドライバーを使い、供給機からねじを1本ずつ取り出して穴に差し込み、トルクを管理しながら締め付けていました。非常に単調で、身体的な負担も大きい作業でした」とGriffin氏は語ります。
そこでDarexは、この作業にテーブルトップ型のUR3協働ロボットを導入しました。ねじ供給機やドライバーなどの既存設備はそのまま活用し、作業者が行っていたねじ締め作業をUR3に任せています。
Production Engineering SupervisorのSam Jacobson氏は、「人が作業していた頃は、ハウジングの穴が見えにくく、ねじを締め忘れることもありました。UR3はすべてのねじを確実に締め、異常が発生すればすぐに知らせてくれます」と語ります。
ねじ締めを自動化したことで、作業者の負担を軽減するとともに、締め忘れの防止にもつながり、製品品質の向上を実現しました。


ねじ締め工程の自動化に成功したDarexは、次に組立ライン全体の自動化へと取り組みました。
「最初のアプリケーションが非常にスムーズに稼働したため、コンベヤや空圧プレスを制御するPLCを追加し、箱詰め工程にも新たにUR協働ロボットを導入しました」とJacobson氏は語ります。
さらに、複数のPLCをModbus通信で接続し、URコントローラーから生産ライン全体を制御するシステムを構築しました。
「ティーチペンダント上ですべてを一元管理でき、短時間でプログラミングすることもできました。この方法を採用して非常に満足しています」とJacobson氏は語ります。

箱の組立や製品の箱詰めも、Darexでは作業者にとって負担の大きい反復作業でした。そこで、一連の工程をUR5協働ロボットで自動化しています。
UR5は、カセットから段ボールを取り出して箱を成形し、所定の位置にセットします。
続いて、コンベヤから流れてくる4つの製品箱をつかみ、成形した箱の中へ収納。箱がいっぱいになるとフタを閉じ、テーピング工程へと送り出します。
協働ロボットの導入にあたり、Griffin氏は従業員のモチベーションを高めながら、ロボットの運用を担う人材を社内で育成することを考えました。
そこで活用したのが、ユニバーサルロボットの無料オンライン学習プラットフォーム「UR Academy」です。社内コンテストを開催し、新たなロボット技術者を選出しました。
参加者は9つのインタラクティブなオンラインモジュールで基礎を学んだ後、実際に協働ロボットをプログラミングする課題に挑戦しました。
その結果、ロボット技術者に選ばれたのが、当時26歳だったBrittany Moorman氏です。
「まったく新しいことに挑戦できるのが楽しく、夢中になって学びました。今では仕事が以前よりずっと面白くなりました」とMoorman氏は語ります。

Darexが次に自動化を検討しているのが、テーピングを終えた箱をパレットに積み付けるパレタイジング工程です。
「製品や箱のサイズが似ているため、自動化に非常に適した工程です。作業者が繰り返し前かがみになる作業も減らせます」とGriffin氏は語ります。
さらに、これまで構築してきた自動化の仕組みをほかの生産ラインへ展開し、別の製品にも同様の自動化を適用することを検討しています。

UR5協働ロボットは、箱の成形から製品の箱詰め、封函、搬送まで、一連の包装工程を自動化しています。

UR協働ロボットには、接触時の力を制限する安全機能が搭載されており、想定外の障害物に接触すると自動的に停止します。
Darexではさらに、作業エリアへの人の進入を検知するとロボットを減速させるエリアスキャナを導入し、安全性を高めています。

当時26歳のBrittany Moorman氏は、UR Academyで協働ロボットの知識と操作方法を学び、Darexの新たな「ロボット技術者」として活躍しています。

Modbusで接続された各ステーションの入出力や稼働状況は、URのティーチペンダント上でリアルタイムに確認できます。オペレーターは、ティーチペンダントから生産ライン全体を一元的に制御・監視できます。

数千の企業が協働ロボットを活用しています...