L'Oréal India Private Limited, Chakan, Pune, India
重量物持ち上げ作業に伴う課題をコボットで解決
01 概要
世界最大の化粧品ブランドの1つであるL'Oréal社では、同社がインドのプネーで稼働している工場で問題が発生していました。製造工程の最終段階を手作業で行っていたことが、深刻な人間工学的リスクを現場作業者にもたらしていました。そこで同社は協働ロボットを導入し、パレタイジング作業を自動化。これによって効率化を実現し、人間工学的リスク0%を達成。協働ロボットは設置場所を柔軟に変更できるため、さまざまな用途に使うことができます。また、作業者が簡単に操作でき、メンテナンスも不要です。プネー工場では、パレットの置き換えにかかっていた時間を短縮したことで、総合設備効率(OEE:Overall Equipment Effectiveness)の5%向上を達成しました。
02 課題
L'Oréal India Private Limited社がインドのプネー工場内部で人間工学的リスク分析を実施したところ、作業者が深刻なリスクに侵されていることが判明しました。その理由は、製造ラインの最終工程であるパレットへのボックス積みを手作業で行なっていたことです。具体的には、作業者1人、8時間のシフトで合計8,500kgの持ち上げ作業が発生していました。これによりL'Oréal India社の人間工学的リスクはレベル4と判定されていました(作業者の身体や姿勢にかなりの危険が懸念される状態。レベル5が最大)。
ビデオ — L'Oréal India Private Limitedで稼働する2台のUR10ロボット(インド・プネー・チャカン)
03 ソリューション
柔軟性と俊敏性の改善による市場ニーズへのリアルタイム対応も目指していた同社は、2016年にユニバーサルロボットの協働ロボットをプネー工場に初めて導入しました。
コボットの導入以前、1つの製造ラインに用意されているパレットは1つだけでしたが、コボットを導入したことで、製造ラインを停止せず2台のパレットに同時に積み込むことが可能になり、シフトあたりの作業時間が30分短縮されました。パレットの置き換えに要していた時間も短縮され、プネー工場のOEEは5%向上しました。
L'Oréal India社の製造ユニット・マネージャー、Mayur Raut氏は次のように述べています。「この工場では、さまざまな人がさまざまなシフトで1つの製造ラインを担当します。このため作業者の交代によって製造ラインの効率が低下することがあったのですが、コボットを導入したことで、クリック1つで必要な精度を得られるようになりました。また、コボットの導入以前は、製造ラインの設定変更には60~70分かかっていましたが、コボットのおかげで、このような変更もワンクリックで完了します」。
04 製品
L'Oréal社は世界最大の化粧品ブランドの1つで、インドでは1992年以来事業を展開しています。多岐にわたる商品を製造していますが、特に香水・フレグランス、ヘアケア商品、化粧品の分野では間違いなくトップ・サプライヤーの1社です。
同社は、柔軟としてスピーディに、かつきめ細かく市場ニーズに対応することで急速な成長を遂げ、現在の地位を獲得しました。https://www.loreal.co.in/
- 作業者への人間工学的リスクを完全に根絶
- 総合設備効率(OEE)を5%向上
- 導入したコボット:UR10を2台
- AMC(Annual Maintenance Cost: 年間メンテナンス・コスト)がゼロ
- 簡単かつ正確に操作・プログラムできる
- ダウンタイムを短縮できる
- 現場での設置場所をいつでも柔軟に変更できる
- 危険性の高い作業から従業員を保護できる
- パレタイジング