Opel
Opel社のエンジン組立ラインのねじ締め作業にURロボットを導入、自動化ノウハウの構築と作業者の負荷低減を実現
01 概要
ユニバーサルロボットのUR10を使用して、エアコン・コンプレッサをエンジンブロックへねじ締めする工程を自動化することで、Opel社は人間工学的に好ましくない作業から作業者を解放しました。アイゼナハ工場で協働ロボットの検証・活用を開始し、さらなる自動化に向けて、自動化ノウハウを構築しています。
02 課題
アイゼナハ工場は同社のリーン生産の取り組みにおいて重要な役割を果たしています。1992年9月に開設され、約1,400人の従業員を擁するこの拠点は、ドイツにおける自動車製造のモデル工場として操業してきました。その先駆的役割を強化するために、Opelは2018年、アイゼナハに工場全体の自動化チームを設立しました。ボディから組立まで、このチームは新たな技術をどう活用できるか検証し、現場へ導入する役割を担っています。検証結果、協働ロボットが最新の組立ラインの開発において非常に大きな強みをもたらすことがすぐに判明しました。人と同じ空間で作業できる協働ロボットの特長を生かすことで、これまでと異なる自動化のまったく新しいコンセプトを可能にしました。
03 ソリューション
Opel社は、親会社であるグループPSAでの導入事例を通じて、URロボットについてすでに認識していました。同社のプロジェクトチームは、最初のURロボットをエンジン組立ラインに導入することを決定しました。URロボットはここで、エンジンブロックのエアコンコンプレッサーにネジを締結します。UR10は作業者と協働作業しながら、2分ごとに3本のネジを22Nmで締め付けています。この工程では、URロボットは2交代制で1時間あたり最大7種類のエンジンを30ユニット加工します。生産ラインの制御により、URロボットは生産ラインの制御システムと統合され、次に作業することになるエンジンのタイプに応じた適切なプログラムを実行することができます。
「ユニバーサルロボットの協働ロボットのおかげで、作業者を人間工学的に負担のかかる作業から解放することができました」と、Opel社アイゼナハ工場の製造技術者、Steve Geinitz氏は述べています。以前は、ネジを締めるときに大きな反力がかかり、作業者にとって負荷の高い作業となっていました。UR10と協働で作業することに作業者が不安を感じないように、製造技術者はこのロボットに「ギュニ」という名前をつけました。
Opel社は、エンドエフェクターの製作からラインでの立ち上げまで、システム構築を内製化しました。Geinitz氏率いるチームは、特殊なスプリングナットを装備したドライバーを開発しました。ロボットに送るコマンドは、開発工場でキーパッドを使用してシミュレートしました。「URロボットのプログラミングは非常にシンプルで容易に習得ができました。操作画面は非常に直感的なグラフィックデザインになっています」。プロジェクトの一環として、数名の従業員が、ユニバーサルロボットの認定トレーニングパートナーであるWillich Elektrotechnikで、URロボットの操作とプログラミングの基礎トレーニングを受けました。
Opel社は今後、この設備の最適化や展開を進める予定です。2台目のUR10もすでに開発工場へ導入されました。このUR10は、新しいアプリケーションの検証および工場の従業員のための教育のために活躍しています。
使用されているUR+製品
Robotiqリストカメラ
- 自動車
- 容易なプログラミング
- エンドエフェクタや制御システムとの信頼性の高い接続のためのフィールドバスおよびI/Oポート
- 2交代制で一貫したねじ締め作業を実行できる能力
- フレキシブルで正確に7種類のエンジンのネジを正確に22Nmで締結
- コンパクト、必要なスペースはわずか1平方メートル
- リスクアセスメント実施後、作業者と同じ空間で安全に動作
- 組立
- ねじ締め
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