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OptiPro Systems
ユニバーサルロボットとNew Scale Robotics社、
精密光学部品製造の品質管理を自動化
01 概要
精密光学部品加工装置メーカーであるOptiPro Systems社(以下、OptiPro Systems)は、同社の装置で製造する製品をインプロセスで測定できる自動化ソリューションが欲しいという顧客からの要望の高まりに直面していました。OptiPro Systemsは、New Scale Robotics社(以下、New Scale)のQ-Span®ワークステーションにそのソリューションを見出しました。これは、ユニバーサルロボット(UR)のUR3e と組み合わせて使う、小型部品測定用のアプリケーションキットです。
02 課題
ニューヨーク州北部に拠点を置くOptiPro Systemsは、1980年代後半から光学業界向けに精密研削・研磨・計測機器を開発してきました。近頃は顧客からターンキーソリューションを求められることが多くなってきました。「顧客が製造ソリューションを求めて個別の工作機械や装置をバラバラに購入する代わりに、素材の計測と製造の両方を行い、最終製品に仕上げるセルを提供することで、工程全体を取り扱えるようになりました」と、OptiPro Systemsの計測コーディネータであるDavid Mohring氏は述べています。OptiPro Systemsの顧客の大半は、全数検査を必要とする医療・軍事分野の部品を製造しているため、品質管理は極めて重要です。
ビデオ — OptiPro Systems社(米国)
03 ソリューション
OptiPro Systemsでは、すでに社内にURの協働ロボットを導入し、試作品を作る研削盤やCMM(座標測定機)へのワークの脱着を行っていました。New ScaleがQ-Span®ワークステーションキットを発売したとき、OptiPro Systemsはこれに注目しました。「使い慣れた協働ロボットを使って、安全で使いやすいインプロセス測定ソリューションを提供する、またとない機会だと思いました」と、OptiPro Systemsの光学部品加工スーパーバイザであるKyle Wood氏は述べています。
Q-SPAN®ワークステーションキット
Q-Span®ワークステーションはUR+アプリケーションキットです。つまり、URロボットとシームレスに統合するためのテストを受け、認証されているということです。Q-Span®ワークステーションキットには、ロボットグリッパノギス、サンプル部品や付属品、施設内を簡単に移動できる多目的ワークステーションカートが含まれています。OptiPro Systemsは現在、研削盤、研磨盤、計測ステーションを組み込んだ完全な機械加工セルの一部としてQ-Span®ワークステーションキットを提供しています。OptiPro研削盤から部品が出てくると、Q-Span®ワークステーションで直ちに部品が測定され、合格/不合格が決まります。部品が合格すれば、CMM(座標測定機)に移されて、より詳細な測定が行われます。
貴重な素材の廃棄を削減
Mohring氏は、製造工程にとってインプロセスで部品を測定することが重要であると述べています。「部品を大量に生産してから測定するのではなく、インプロセス測定で問題をすぐに把握することで、スクラップを減らし、不良品を作りながら製造工程を継続することがないようにします」
OptiPro Systemsの機械エンジニアであるMike Cahill氏は、Q-Span®ワークステーションが、たとえば同社のOptiSonic研削盤から出てくるガラス円柱がどのように測定するかを説明しています。円柱は、ミニ削岩機のように振動するコアドリルが積み重ねられた大きなガラス素材を貫通することによって作られます。「OptiSonicテクノロジーにより工具の寿命が大幅に延びていますが、研削加工の過程でダイヤモンド工具のドリルが時間と共に摩耗することは避けられず、研削加工で得られる実際のワークのサイズは変化します」と述べています。Q-Span®ワークステーションで各円柱のコア直径を即座に測定することで、無人で公差外れをすぐに把握し、必要に応じてドリルや送り速度を変更することができます」
これは貴重な素材の廃棄を削減することを意味します。Kyle Wood氏は、その貴重さの一例として、「当社の顧客の中には、素材重量で金よりも価値があるゲルマニウムを使用しているところもあります。そうなると、何千ドルもの節約ということになります」と述べています。また、Q-Span®ワークステーションが提供する繊細な部品の取り扱いも強調しています。「協働ロボットを使用することで、お客様は手作業による脆い材料の破損や鋭いエッジの破損や欠けを回避できるようになりました。Q-Span®ワークステーションを使うと、ロットサイズが大きい場合には数千個のワークを生産できる無人オペレーションが可能になります。Q-Span®が1サイクルで達成できることを作業員が手作業で行うには、6つのステップが必要になるでしょう。さらに、考慮すべき要素から人為的なばらつきを排除できます」と彼は述べています。「また、グリッパを変えることなく様々な部品を測定することができるので、1つのプロジェクトから次のプロジェクトへ迅速に移行することができます」
組み込まれた安全性による柔軟な展開
Quinlivan氏は、New ScaleがQ-Span®ワークステーションキットを動かすためにUR3eを選んだのには、いくつかの理由があると説明します。「UR3eは、フォームファクタが優れており、オープンソースのプラットフォームを提供してくれるので、当社のシステムとロボットの間のソフトウェアハンドシェイクであるURCapを開発することができました」と述べ、これによって、ユーザーはUR3e独自のティーチペンダントから直接アプリケーション全体をプログラムすることができ、測定データを直接ユーザーのデータベースに取り込むことができるようになると説明しています。
「Q-Span®キットをお客様の施設に持ち込み、数時間のうちに部品を測定させることができます。インテグレータを雇って、難しい工具を装備したロボットをお客様のシステムにセットするために何時間も費やす必要はありません」
OptiPro Systemsは、さまざまな種類のロボットを扱ってきたとMohring氏は述べています。「URロボットの使いやすさと協調性は、私たちの作業セルに導入する上で大きな助けとなりました。そこらの他の選択肢のように、技術開発やさまざまなプログラミングアルゴリズムの習得に多くの時間を費やす必要はありません」と述べ、UR3eは協働ロボットであるため、作業員と一緒に作業させることができ、既存のワークフローに適合させることができると付け加えています。「協働ロボットに内蔵された安全機能のおかげで、固定式の産業用ロボットのようなコストをかけずに、柔軟な自動化のメリットを享受できます。従来のロボットのように、安全柵やレーザーを追加する必要はまったくないのです。Q-Span®システムは工作機の間で簡単に動かすことができます。基本的な3軸ミルから、同時6軸研削プラットフォーム、または研磨プラットフォームまで、当社のあらゆる工作機に搭載できるほどの柔軟性を備えています」
計測試験室でのボトルネックを防止
Q-Span®ワークステーションに研削盤でのインプロセス測定を行わせ、部品を合格/不合格の容器に分類させれば、ラインの後工程の計測試験室でのボトルネック防止にも役立つとMohring氏は説明します。「公差外の部品を計測試験室のCMM機に送ることなく、プロセスの早い段階で製造セル内で把握することで、お客様の費用と時間を大幅に節約できます」。Q-Span®キットのインプロセス測定に合格した部品だけが、完全な寸法検証のためにCMM機に移されます。
「光学部品の製造では、研削工程、研磨工程、計測工程のすべてを1つの作業セル内に設定することがよくあります」と彼は述べます。「各装置に人を配置しないことで、コストを大きく削減できます。また、社内の労働力を削減しなければならないコロナ禍という状況下では、近接した場所で多くの人を一緒に働かせる必要がないということが、お客様にとって大きな利点となっています」
Q-Span®ワークステーションキットをOptiPro Systemsのターンキー製品の一部として追加することで、将来のプロジェクトに関する多くのアイデアが生まれました。「また、今後ますます重要になると思われる、URロボットを使った将来または既存の生産に革新的な要素を加えることに自信を持つことができました」とKyle Wood氏は述べています。
- 部品のインプロセス全数検査を達成
- 脆いワークを欠けさせたり破損したりすることがある、精度と再現性の低い手作業での測定を置き換え
- 複数の装置への柔軟な展開
- 社内人員削減が求められるコロナ禍という状況下で重要な、インプロセス品質検査の無人運用を実現
- インプロセス測定を実現し、公差外の部品を即座に把握
- スクラップを削減
- 計測試験室でのボトルネック防止
- 小さな占有面積
- 作業員配置の柔軟性向上
- 協働性があり安全
- プログラミングが容易
- 品質検査のための完全なキット
- 精密光学部品機械で製造された小型部品のインプロセス測定
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