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RCM Industries
ダイカスト製造のRCM Industries社、ユニバーサルロボットの活用で競争力を獲得し、米国での雇用を維持
01 概要
ある大型プロジェクトでメキシコのサプライヤと競合していたシカゴのダイカスト製造業者RCM Industries社(以下、RCM)。ユニバーサルロボット(UR)の力覚センサ内蔵の協働ロボットe-Seriesが高精度の反復作業を担い、生産量の増加とコスト削減を実現しました。結果としてRCMは低賃金国に対抗する競争力を高め、作業者にはより価値の高い仕事を提供しています。
02 ロボット導入前の課題
大手顧客がコスト削減のために海外での生産を検討していたとき、RCMは、同社が顧客に提供する価値を下げることなく、製品コストを削減しなければならないと考えました。NC加工機のチャックに部品をはめ込み、セルフアライメントを行うには高い精度が要求されるため、自動化はさらに困難なものになっていました。
Video - RCM Industries, USA
03 ソリューション
RCMは、協働ロボットUR10eを2つのセルに導入、それぞれに同じサイクルで2台のデュアルスピンドルNC旋盤へのワークの脱着を行わせて、配管製品を製造しています。作業員がテーブルの上にワークを置くと、ロボットがステーションからステーションへワークを移動、未加工のワークをピックアップし、仮置き場に置いて位置合わせをしてから、まず第1チャックに、次に第2チャックにセット、最後に完成品をピックしてベルトコンベヤ上に落として作業員に戻します。URロボットは力覚センサを内蔵しているため、チャック上の正しい位置を探し、セルフアライメントを行うことができます。また力覚センシングにより、ロボットは規定形状外や正しくロードできないワークを検出し、排除することができます。
別のアプリケーションでは、直交ロボットがワークの脱着を行う旋盤から、UR10が金属のリングをピックアップします。UR10は、部品を洗浄槽に入れて潤滑油を洗い流し、ブロワーの前で部品を回して乾燥させた後、完成品をドラムに置きます。「すぐに得られた利点の1つは、これらのセルのスループットの一貫性です」と、RCMのエンジニアリング・技術担当ディレクタであるRob Marconi氏は述べています。「作業員が手作業で加工機にワークをセットする場合、ワークのチェックや加工機への着脱など、複数の作業を掛け持ちすることがよくありました。そのため、加工機へのロードは速くても、一貫性に欠けることがありました。ロボットの場合、毎回同じ動作を正確に同じ時間で行うので、ロボットを導入してすぐにスループットが約15%向上することがわかりました」
“私たちは『その自動化は可能か、投資額はいくらか、そしてそれは合理的か』と、常に考えています。そして、多くの場合、それが理にかなっていることがわかってきます ”
04 安全柵不要、調整も簡単
ロボットが作業している間、作業員は自由にセル内に入り、NC加工機の調整やその他の作業を行うことができます。最初にリスクアセスメントを行えば安全柵なしで展開できることが、従来のロボットに対する協働ロボットの大きな優位性です。「協働ロボットによるワークのロードがうまくいかなかった場合、作業員にエラーが知らされます。作業員はセル内に入り、ワークを取り出して作業を再開させることができます。その際、安全柵を開け、セルをロックしてタグアウトする必要はありません」(Marconi氏)
05
作業員はより安全で価値のある仕事へ配置転換
このような特殊な作業に必要な人員は自動化によって削減されましたが、セールス&マーケティングディレクタのMike Higgins氏は、会社が競争力を高めることによって、いかに米国内の雇用を維持することができたかを説明しています。「収益を確保し、生産能力を上げることができたので、それらの作業員を他の部門や組織内の他のサービスに配置することができました。ここのような都市部での人材確保となると、非常に厳しいものがあります。我々製造業者は皆、優秀な作業員を求めて戦っているのです。特に反復作業において、自動化できるところは常に見ておく必要があります」
06
eラーニングがシステム構築を容易に
Marconi氏ではロボットプログラミングの経験はありませんでしたが、URからPolyScopeシミュレーションソフトウェアをダウンロードすることで、ロボットが到着する前にすべてのプログラムを作成することができました。その後、ロボットにプログラムをダウンロードし、ティーチペンダントを使って現場でウェイポイントを教えるだけすみました。ワーク脱着アプリケーションでワークをつかむために、RCMはUR+ショールームからPHDの3爪空気圧グリッパを選びました。このグリッパはUR+認証を取得しており、プラグアンドプレイでURロボットに組み込むことができます。「エアバルブもすべて組み込み済みで、配線もすべて完了しており、ロボットとの連携に必要なコーディングもすべて終わっています。ロボットにケーブルを接続し、ティーチペンダントに直接ソフトウェアをインストールするだけで、すぐに使えるようになりました」(Marconi氏)
07 迅速な投資回収が可能にする将来計画
Marconi氏は、1年足らずで投資回収できた協働ロボットから継続的な利益が得られると期待しています。「将来はさまざまな用途に展開する予定ですが、このロボットの大きなメリットの1つは、簡単に再配置できることだと思います。生産ラインの拡大やスループットの向上計画に伴い、これらのロボットを別の場所に移動させ、安全柵設置や配線をやり直すことなく、それらのセルのスループットを向上させようと考えています。これは、安全柵を移動させるコストや工程のダウンタイムが発生することから、ほとんど再配置されることがない従来型産業用ロボットとは大きく異なる点です」
FPE Automation社の自動化スペシャリストであるCameron Friend氏は、RCMがURロボットを選択する際に支援をしました「e-Seriesは、私たちがお客様のために最適な協働ロボットとしてお勧めしているものです」彼が説明する利点には、直感的なプログラミング、優れたユーザーエクスペリエンス、迅速に交換できるジョイント、内蔵の力覚センサの他、UR3eとUR5eでは30ミクロンの、UR10eでは50ミクロンの位置繰り返し精度が含まれています。「これらはすべて、新しいアプリケーションを開発するための非常に重要な要素です。アプリケーションとして、ワーク脱着以外にも、バリ取り、分注、梱包、パレタイジングなどの作業もあります」(Friend氏)
- 1つのセルで6人分、第1シフト以外の作業で2人分の手作業の必要人員を削減
- 15% のスループット向上
- より付加価値の高い仕事に移行した作業者の安全性と満足度の向上
- 監督者が作業セル内に入り、細かい寸法を確認できる安全な運用
- 再配置が容易なため、増産要求にも対応可能
- 迅速な実装により、配置・再配置が容易
- オフラインで簡単にプログラミングでき、停止時間を最小化
- 力覚センサにより、チャック上でのセルフアライメントと不良品自動排除が可能
- 50ミクロンの再現性により高精度作業に対応
- CNC加工機へのワークの脱着
- 洗浄・乾燥工程でのワークのピック&プレース
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