仏サノフィのトゥール工場 でパレタイズ工程を自動化したUR10
協働ロボットが、負担の大きい反復作業から作業員を解放
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概要
世界中に10万人以上の従業員を抱える世界有数の医薬品メーカーであるサノフィは、フランス、トゥール工場に7台のUR10を導入しました。パレタイズラインへの導入の目的は、錠剤やカプセルの箱のパレタイジング工程において作業員が運ぶ荷物量の削減することと、作業員の動きを最適化することでした。URロボットの導入によりサノフィの生産性は向上し、作業員はMSD(筋骨格障害)を負うことが減り、より付加価値の高い作業に集中できるようになりました。
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課題
300人の従業員を擁するサノフィのトゥール工場は、パフォーマンス改善プロジェクトに着手し、パレタイズラインの最適化を検討していました。
サノフィは同時に、ラインで働く作業員が運ぶ荷物量も減らしたいと考えていました。段ボール箱は3~8キロほどで単体ではそれほど重くなくても、1日作業を続ければ1人あたり300~700キロを運ぶことになります。このような経緯でパレタイズ工程を自動化すること、そのために協働ロボットを活用することが決定されました。
フランスにあるサノフィの工場で働くUR10ロボット
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ソリューションとメリット
サノフィは、可搬重量10kg、リーチ長1300mmのUR10に着目しました。「UR10の利点はそのコンパクトさです。スペースが限られている当社にとっては非常に重要なことであり、UR10なら2つのパレットの間にアームを設置することができます」と、サノフィのトゥール工場で新製品担当マネジャーを務めるGilles Marsal氏は述べています。
UR10はプログラミングが容易で柔軟性が高く、処理する箱のサイズに応じて数秒で異なるサイズのグリッパーを取り付けることができます。このことは経営陣がプロジェクトへの協働ロボットの導入を承認する決め手となりました。
安全な操作
ラインエンドに設置された協働ロボットは完璧に機能し、パレットの積み下ろしという、必要でありながらいつもそれを担当する人にとってはあまりやりがいがなく、疲労がたまる作業を大幅に促進します。ここでは、パレタイジングロボットの隣にあるパレットを安全に取り換えることができます。
梱包ワークショップの責任者であるSébastien Pain氏は、これらのロボットを導入したことで「荷物の運搬・移動という重労働から作業員を解放しただけではなく、作業員の作業時間も短縮できました」と述べています。実際サノフィは、従来は各ラインに3名ずつをアサインしていたところ、作業員3名が2ラインを担当する体制へ移行しました。ロボット導入により作業時間は1日あたり10%短縮されたと推定されます。
「協働ロボットディスカバリデー」
より重要なことは、協働ロボットが従業員に受け入れられているということです。これは協働ロボットプロジェクトの成功には欠かせない条件です。「フランスでこのようなプロジェクトを実施するには、衛生・安全・環境担当部門と作業員をプロジェクトの初期段階から巻き込む必要があります」とGilles Marsal氏は述べています。「最初のステップとして、パレタイズラインの全作業員、監督者、経営陣を集め、協働ロボットをテストできるロボットディスカバリデーを開催しました」
これらのすべてのステップ(リスク分析、ディスカバリデーなど)を踏んだため、最初のプロジェクトの導入にかかった期間は6か月、次の導入にかかった期間は発注から実装まで4~5か月でした。協働ロボットの強みの1つは、従来の産業用ロボットよりも導入にかかる期間が短いことです。
よりやりがいのある作業のための時間を作り出す
パレタイジングロボットは作業員に非常に好評です。「ディスカバリデーにより、協力して仕事をする同僚として、協働ロボットが優れた存在であることがわかりました。」と、作業員のJulie Debrincat氏は述べています。作業員たちからは、安全性、特にロボットと人間の衝突が起こった場合に関する多くの質問が出ました。「私たちは自分たちの思いを言葉にすることができました。人が近づくとロボットが停止するのを見て、ロボットは優れた同僚なのだと気づきました」
1日に数100kgを運ぶことになるパレットへの積み込みを行う必要がなくなり、作業員たちは重労働から解放されました。これにより、彼らはよりやりがいのある、生産的な活動に集中できます。
最終的に、サノフィは投資回収期間を24か月と算出しました。これは従来の産業用ロボットに比べてはるかに短い値です。
サノフィは、さらにその先のプランを立てています。次のステップは、生産ラインにカートンを積み込むためのロボットです。
- チームのパフォーマンスを改善
- 運ぶ荷物量の削減
- 異なる重量・サイズの包装のパレタイジング
- 従業員の筋骨格障害を削減
- プログラミングの容易さ
- トレーニング時間を短縮する直感的なユーザーインタフェース
- 迅速なチェンジオーバー が容易なアームエンドツーリング
- 小さなフットプリント
- パレタイジング
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