シュナイダーエレクトリック
URロボットの導入により単純な繰り返し作業を自動化することで、製造リードタイム短縮と作業員のモチベーション向上を両立
01 概要
シュナイダーエレクトリック社は、効率性と持続可能性のためのエネルギーとオートメーションのデジタルソリューションを提供するグローバル企業です。エネルギー技術、リアルタイムオートメーション、ソフトウェア、サービスの組み合わせにより、家庭、ビル、データセンター、インフラ、産業用途向けにソリューションを提供しています。シュナイダーエレクトリックのブルガリア工場は、主に産業用と家庭用のMCB(ミニサーキットブレーカー)生産に力を入れています。同社はユニバーサルロボットのUR5を導入し、電源ブレーカーとボックスのピッキングと配置のプロセスを自動化することで、最も反復的な作業を要する生産時間を短縮し、従業員を異なる製造エリアに移動させることに成功しました。UR5の投資回収期間は約24カ月とされています。
02 課題
シュナイダーエレクトリック社のブルガリア工場は、プロブディフという町にあり、オペレーター、管理、サポート機能など、500人以上の従業員を雇用しています。この企業のさらなる発展において、製造工程の効率化のために日常の繰り返し作業の自動化が求められていました。
「協働ロボットは、人間工学的に望ましくない、日々の単純・繰り返し作業を置き換えるために採用されます。シュナイダーエレクトリックのオートメーションエンジニアであるAntoniy Petrov氏は、「協働ロボットの導入により、作業員は製品の品質向上と機械の管理により集中することができます」と述べています。シュナイダーエレクトリックは革新的な企業であり、常に最新かつ信頼性の高いソリューションを求めています。「私たちの工場は、南東ヨーロッパの14カ国における代表的なスマート工場として認められており、スマート工場プログラムに従って、革新的で信頼性の高いソリューションを導入することにしました」とPetrov氏は述べています。
ビデオ — Schneider Electric, ブルガリア
03 ソリューション
URロボットは現在、製造ラインから電源ブレーカーをピッキングし、箱に入れるようにプログラムされています。このタスクが完了すると、URロボットは新しい空箱をピックして置き、カートが10箱で満杯になるまで、再び箱詰めします。バッチが終了すると、ロボットが直接オペレーターに切り替えのアラートを出します。
「URロボットは、生産ラインのオートメーションシステムに接続され、緊急停止の指令などが統合制御されています。また、オペレーターがNG品を取り除くための作業領域を確保するために、URロボットは任意の空間に侵入しないように制限されています。また、段取り替えが必要な場合はオペレーターにアラートを発し、オペレーターからの手動による動作停止や安全な位置への移動することを求めるように制御されています」とPetrov氏は説明します。
ロボットは完全に自律的に動作し、オペレーターが必要なのは段取り替えのときだけです。
04 効果
URロボットのみで行う投入工程は、非常にシンプルに自動化されています。まず、トレイを満載したカートを用意し、最大で10個のトレイを一括して投入します。URロボットは、一番上のトレイを検出し、その後、トレイ内のMCB(ミニサーキットブレーカー)の位置を調整することができます。ROBOTIQのデュアルグリッパーは、一度に最大16個のMCBをピックアップし、生産ラインのコンベヤー入口に配置します。すべてのMCBがトレイから取り出されると、ロボットは自動的に空のトレイを台車へ搬送します。最終段階として、URロボットがカートの全てのトレイからMCBを投入し終えたら、オペレーターを呼んでカートを取り外し、新しいカートを置くように指示します。こうすることで、人の作業はカートの交換だけでよくなり、人はより付加価値の高い他の作業に集中することができます。
「上記の工程は、URロボットを使用する想定で設計されています。作業員はURロボットを非常に便利なツールとして見ており、本当に喜んで協働作業しています」と、シュナイダーエレクトリックのオートメーションエンジニアは述べています。
多用途に展開しやすい協働ロボットの特長を生かし、同社は2台のUR5を導入しています。「URは、その競争力のある価格、簡単な設置、需要に基づいた作業内容の変更、信頼できるサポート、簡単なプログラミングと運用により、当社の課題を解決できるソリューションであると考えています。製造工程におけるロボットの導入は、人間工学的に望ましくない、単純な繰り返し作業を置き換えることを意識して進める必要があります。これにより、熟練したオペレーターを育成するための時間を確保し、より良い変化に強い製造プロセスの構築を行うことができます。」とPetrov氏は述べています。
URロボットは、現地のユニバーサルロボット販売代理店Soltecを通じてシュナイダーに設置されました。ソルテックのプロジェクトリーダーであるJean Philippon氏は、次のように語っています。「URロボットは、非常にシンプルで使いやすいシステムを持つ革新的な自動化ツールです。その特長を生かして、お客様とその業界をサポートし、競争力と効率性を高めるお手伝いをすることですが私たちのミッションです」
- 作業員が単調な繰り返し作業から解放される
- 電源ブレーカーやボックスのピッキング・配置作業を自動化
- 従業員が安全かつ容易に作業空間にアクセスできるように
- ルーチン作業の削減
- 製造リードタイムの短縮
- 2年以内の投資回収
- 迅速な立ち上げ
- 柔軟性の高いシステム
- ワークの搬送
- 段取り替えが必要なタイミングを作業員へ通知
- 任意の空間へロボットが入れないように制限
- 必要に応じて作業員による手動での運転停止や安全な位置への移動を要求するシステム
- 空のトレイを取り出す
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