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Toolcraft Inc
医療機器のマルチオペレーション精密加工に活躍する新しい e-シリーズ協働ロボット
01 概要
ワシントン州シアトルにある小さな機械工場のToolcraftは、ユニバーサルロボットが提供する協働ロボットでその新しい主力製品が持つ30ミクロンの再現性と内蔵された力とトルクの検出機能にすぐ魅了されました。 同社はCNCマシンの中で行う3オペレーションのマシンテンディング作業を自動化する必要があり、UR5e協働ロボットを使用することで製造コストを23%削減し、処理能力を43%向上させることに成功しました。
02 課題
Toolcraftは大量の注文に対応するため、24時間365日の生産に向けて第3シフトを追加するかどうかの岐路に立っていました。失業率が3%の地域事情もあり、「この辺では誰も第3シフトに入りたいとは思いません。募集をかけても反応は鈍いものです」とToolcraftの事業部長、Steve Wittenbergは言います。そこでToolcraftはさまざまな自動化オプションの検討を始め、当初は伝統的な産業用ロボットを候補に考えていました。
「ロボットのハードウェアだけ考えれば、伝統的ロボットは費用効率の高いソリューションです」と彼は続けます。「しかし、安全ケージを設置する必要がないこと、複雑なプログラミングが必要ないので簡単に使用でき時間が節約できることを総合的に考慮して、最終的にユニバーサルロボットという正しいソリューションに落ち着きました。」
ビデオ — Toolcraft Inc USA
03 The solution
Toolcraftが受けた注文は複数のねじ部を持つ医療機器用の部品で、3ステップからなるCNC機械加工へのローディングが必要でした。Toolcraftはこの課題を、ユニバーサルロボットの認定システムインテグレータであるRapid Design Solutionsと検討しました。「精密機械加工をマルチオペレーションで行う場合、精度要件はさらに高まります」と、ユニバーサルロボットのe-シリーズ協働ロボットの精度向上を強調しつつ、オーナーのTroy Ojalehtoは言います。「UR5eの再現性が30ミクロンまで改善されたと聞いたとき、私たちはとても興奮しました」と彼は続けます。「それなら同じスペースで伝統的な産業ロボットに十分対抗できるので、とても大きな意味がありました。このようなマルチオペレーションを必要とする部品をこのレベルの精度で操作し、投入された原材料を完成した精密部品として送り出せるのです。このようなことができる他の協働ロボットを見たことありません。」
UR5eの展開に要した半年で、ToolcraftのWittenbergは結果を早々と整理しました。「私たちが先ず最初に実感した効果は大幅な生産量の増加でした」と彼は言います。「第3シフトへの要員対応もでき、週当たりの生産数が255部品から370部品に増加しました。さらに年間の生産目標を7週間も早く達成してしまったのです。おかげで、機械を他の仕事の部品生産に充当できるようになりました。」さらに彼は次のように付け加えます。「この結果コストは23%低下し、ToolcraftとしてはUR5eのROIをほぼ12ヶ月になると予想しています。現在対応しているような長期にわたる多くの仕事でさらに競争力を高められると考えています。」
人のようなオペレータの動作
ユニバーサルロボットが提供する協働ロボットの新しい主力製品が発揮するもう1つの新機能は、全関節での力のフィードバックです。これは部品をCNCの固定具にぴったりと装着する上で鍵となるものです。「X軸、Y軸、そして回転用Z軸の自由で力を伴う動きを使って部品を所定の場所に移動させて揺すり、そしてその適合性確保の動作は簡単にプログラムできるので、基本的な人の動作をロボットで実現できることになります。」
機械加工のサイクルは56分かかり、その内6分はUR5eが部品の供給に忙しく立ち働く時間です。「残りの時間中、協働ロボットは次のサイクルのために待機していました。私たちは協働ロボットをもっと忙しくさせようと思ったのです」と、Wittenbergは会社が部品のリンス・洗浄ステーションを追加した理由を説明します。UR5e(協働ロボット)が加工を終えた部品をCNCから取り出す際、今では協働ロボットは部品をリンス溶液に浸し空気ジェットを吹きかけて、洗浄と乾燥を済ませた部品を出荷ラックに載せています。機械工場ではまたUR5eのI/Oインタフェースを使用して空圧部品やドア開閉アクチュエータを簡単に制御できます。「おかげでCNCの配線負荷を大幅に軽減でき、またCNCの標準の安全機能をすべて確保できています。」とOjalehtoが説明します。
Toolcraftが最初のアプリケーションを稼働させるためにシステムインテグレータの助けを借りている間、機械工場は彼ら自身で、リンス・乾燥ステーションをプログラムしインストールすることができました。「私たちにこういうことができたのは、ユニバーサルロボットが無料で提供するオンラインサポートのおかげです」とWittenberg。「私たちの自動化エンジニアはオンラインでURアカデミーのコースを学び、インテグレータと数時間打ち合わせしただけ、その他の外部からの支援なしで、協働ロボットサイクルにあのステーションを追加できたのです。」
当初Wittenbergは、UR5eが通常のマシンテンディング作業を中断され、リンスステーションのプログラミング段階で生産が落ちることを恐れていました。 しかしToolcraftのチームは、単にユニバーサルロボットのシミュレータを使用し、協働ロボットが稼働中でもオフラインですべての追加内容をプログラムできることを発見しました。
UR+グリッパーが統合をスピードアップ
統合を加速したもう1つのURの先進性は、グリッパー、ビジョンシステム、ソフトウェア、および他のアクセサリなどのロボット周辺機器をUR協働ロボットとシームレスにつなげる機能を持つUR+プログラムです。Rapid Design SolutionsのOjalehtoは、「このアプリケーションでは、Pneu-Connectニューマチックグリッパーを選びました」と述べています。 「大きな要因は、それがUR+の認定を受けていることです。これは、グリッパーがURティーチペンダントに直接統合されたすべてのグリッパーソフトウェアを使って、つまりスクリプトのコーディングを一切必要とせずに、箱から取り出してすぐにユニバーサルロボットと組み合わせて使えることを意味します。」
1年に1台、次は横フライス盤の自動化
協働ロボットの最初の設置が成功したため、Toolcraftは現在、1年に1台のペースで協働ロボットを増設することを計画しています。「私たちの自動化エンジニアが今や問題発生時に内容を調べてトラブルシューティングできるほど実力を付けたという事実が、この目標を達成する上での重要なポイントになっています」とWittenbergは語り、機械工場での次の自動化対象として横フライス盤のテンディング作業を挙げています。「この作業の自動化は難問となる可能性があります。回転式ツームストーンを使用するフライス盤では、ツームストーンをフライス盤から出し入れして交換する作業が伴い、それが治具固定上の問題となるからです。しかし私たちはユニバーサルロボットと革新的な治具固定法を採用すれば、このような問題を解決できると考えています。」
UR協働ロボットモデル:UR5e
使用したUR+製品:PHD Pneu Connect グリッパー
“「UR5eの再現性が30ミクロンまで向上したと聞いた時はすごく興奮しました。それなら同じスペースで伝統的な産業ロボットに十分対抗できるので、とても大きな意味がありました。」”
会社
Toolcraftは、ワシントン州シアトル郊外のモンローに拠点を置く小さな機械工場で、航空宇宙産業、医療産業、防衛産業向けの部品を製造し、高効率、高精度の安定したCNC加工ソリューションを提供しています。
- 第3シフト要員への対応能力
- 困難が予想されたマルチオペレーションCNC機械加工サイクルの自動化
- 生産コストの23%削減
- 生産量の43%増加
- 人的作業と比べ年間生産目標の達成を7週間前倒し
- 反復的で人間工学的に好ましくない仕事の流れを一掃
- 安全ケージを使用しないで自動化する能力、作業員が並んで仕事ができる環境の確保
- ダウンタイムを作らない、加工サイクルを阻害しない保守無用のシステム
- 30ミクロンの再現性
- 全関節での力のフィードバック
- 12ヶ月のROI
- 協働作業が可能かつ安全
- 簡単なプログラミング
- URアカデミーオンラインモジュールによる無料の訓練
- URシミュレータによるオフラインプログラミング
- マルチオペレーションCNC機械のテンディング
- 部品のリンスと乾燥作業
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