ユニリーバ・ポーランド
協働ロボットでパレタイジング工程の高速化と作業員への負担低減を両立
01 概要
ユニリーバ社は、FMCG(日用品)業界における世界最大級の企業であり、約400のブランドを190カ国以上で販売しています。ポーランドには4つの生産工場があります。そのうちのひとつ、カトヴィツェ工場では、25キログラムの袋に入ったお茶を梱包しています。従業員によって箱詰めされた商品が入ったカートンは、6台のURロボットによってパレットに置かれます。URロボットを導入したことで、パレタイズ時間が短縮され、人間工学的に望ましくない作業から解放され、従業員への負荷を低減することができました。
02 課題
ユニリーバ社のカトヴィツェ工場では、2つの製造棟に約400人の従業員が働いています。ユニリーバ社のオートメーション・シニア・スペシャリストであるDariusz Ratajczak氏によると、同社は長い間、包装やパレタイジングといった単調な手作業、しかも扱う製品のサイズが大きいため負担の大きい作業に従事する作業員の確保に苦労してきました。しかし、必要な可搬重量とリーチを持ち、直感的な操作とプログラミングが可能な柔軟性の高いロボットを見つけることは困難でした。また、作業工程を細かい作業に分割し、それぞれの工程を統合的に自動化することで、作業者を過酷な作業から解放し、より付加価値の高い作業に従事させることが必要でした。
Ratajczak氏は、「パレタイジング作業に応募する人は年々減少している一方で、この工程は効率的に実行されなければならない重要な工程です」と説明します。「パレタイジングには、十分なアームのリーチを持つロボットが必要でした。このロボットが果たすべき作業は、お茶の入ったさまざまな箱をピッキングしてパレットに載せることでした」
ビデオ — URロボット, ユニリーバ, ポーランド
03 ソリューション
「多くのソリューションを検討しましたが、最終的にはユニバーサルロボットのロボットをテストすることにしました」とMroczek氏はURの代理店がどのようにこの課題解決をサポートしたか、協働ロボットの動作や可能性を見せながら、その動作やプログラム方法を実演した経緯を詳しく説明します。
リーチ1300mm、可搬重量10kgのUR10は、ユニリーバ社のカトヴィツェ工場で様々な角度から検証されました。紅茶の包装作業では、真空グリッパーが使用されました。テストは非常に順調で、同社はURロボットを導入することを決定しました。最初のURロボットの導入は、Biuro Inżynierskie IEC社によって行われ、約3週間かかりました。ユニリーバ社のオートメーションチームに対するURロボットのプログラミングに関する基本トレーニングは、URロボットの販売代理店であるEncon-Koester(ProCobotにブランド変更)が実施しました。
ユニリーバ社はカトヴィツェ工場の2つの生産ラインを完全に自動化し、6台のUR10が紅茶の包装に関連する作業を行うようになりました。URロボットを導入する前は、これらの作業はすべて人間が行っていました。作業員は、約70%の時間を包装に、30%の時間をパレタイズに費やしていました。パレタイジングがURロボットによって完全に自動化されたことで、オペレーターは30%の作業から解放されました。URロボットは最も面倒な作業をこなし、8時間のシフトで約1100箱をパレタイズするなど、高い生産性を証明しました。パレタイズでは、あらかじめ設定されたパターンに従って、UR10が各箱をパレットに載せていきます。
「最初のURロボットの導入には3週間ほどかかりました」とMroczek氏は振り返ります。「今では、わずか数時間で導入できます。URロボットのプログラミング担当者は、箱のピッキングポイントと箱の大きさを定義するだけです」
ユニリーバ社の工場におけるロボットのプログラミングは、段ボールの形状やサイズによって異なります。しかし、どの場合もこのプロセスは似ています。パレット上の箱の数が規定数に達すると、URロボットは次の層の作業を開始します。1パレットは通常6~10層で、各層には10~21個の箱が置かれています。1つの層のパッケージングプロセスが完了すると、コボットは新しい高さを計算し、次のレイヤーの開始点をマークします。作業員は、UR10が次のパレットにカートンを積み始めたことに気づくと、すでに積んであるパレットを持って出発します。1パレットを完成させるのに、URロボットは20~30分ほどかかります。
「私にとって初めてのロボットプログラミングは、URアカデミーのeラーニングでした。私たちのチームでは、お互いのノウハウを共有し、より高度なスクリプトプログラミングを用いることで、より複雑な機能を使えるようになっています」と、Dawid Mroczek氏は述べています。「基本的なプログラミングは、非常に直感的です。今となっては高度なスクリプトプログラミングを主に使用していますが、これはプログラム内でランプやボックスのサイズを定義することで、プログラム作成のスピードアップを図ることができるからです」
URロボットを導入する前に、ユニリーバ社のオートメーションスペシャリストは、パレタイザーのようなすぐに使えるソリューションを検討しました。長所と短所を考慮した結果、チームは協働ロボットの方がより柔軟で使い勝手が良く、投資対効果も高いと判断しました。「URロボットを導入することで、梱包時間を短縮することができ、人間工学的に望ましくない作業も低減されました。自動化する前は、作業員はパレットの下層に箱を置く際は腰をかがめるという負荷の高い単純作業を行わなければなりませんでした。この最も負荷の高い作業は、URロボットによって完全に排除されました」とDariusz Ratajczak氏は述べ、URロボットの投資回収の見込みは約12ヶ月であると付け加えました。
カトヴィツェ工場における協働ロボットによるパレタイズ工程の自動化の取り組みは他工場にも共有されています。カトヴィツェ工場のチームは、デパレタイズのプロセスの自動化にも取り組んでおり、これによりURロボットが生産用の材料をピッキングできるようになります。
- 梱包時間の削減
- パレタイズ工程の効率化
- 作業員を付加価値の高い作業へ移行
- パレタイジングの完全自動化
- ロボットプログラミング未経験の作業員でも短期間で習得できるトレーニングやノウハウを提供
- 直感的な操作
- 数か月後には複雑なロボット動作を教示できるスキルを習得
- 付加の高い作業から作業員を解放
- パレタイジング工程
- 包装された箱を重ねる
- ユニリーバ社のプロジェクトは、グリヴィツェのBiuro Inżynierskie IEC Sp. z o. o.と共同で開発
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