Case 1 | 自動車メーカーM社
12か月かかっていた生産工程の開発を、わずか6か月に短縮。
内製化を実現し、コスト削減と生産性向上を両立した協働ロボット
01 背景
地方にあるM社の車両系工場では、開発職も製造職も常に人材不足の状況だった。生産ラインの改善活動を恒常的に行う中、限られたリソースの中でより効率的な生産工程を開発しなければならなかった。
02 課題
限られたリソースで生産工程の効率改善を進めたいが、ロボット内製化が壁に…
生産の更なる自動化や省人化を推進していくために、現在の人手作業を見直しロボットに置き換えたいと考えていた生産技術部の主任S氏。同時に、限られた工程技術開発職の人員で長期的な対応が可能なように、ロボットの立ち上げは内製で行い、自社にノウハウを蓄積していきたいという課題を抱えていました。
S氏はこう語ります。
「既存のロボットはプログラミングが複雑すぎて、立ち上げ時も調整の際も外部業者に依頼しないといけません。現場でちょっとした変更をしたいときに、自分たちで対応できないのは大きなストレスでしたし、コストも時間もかかっていました」
さらに、既存の産業ロボットは固定設置が前提であり、配置を変更したり、柔軟に活用したりすることが難しいという問題もありました。
「基本的に、一度設置したら動かせませんね。ラインのレイアウト変更をしたくてもロボットの位置を変えられないのでは、柔軟な生産体制を作ることは難しいです」(S氏)
時代に合わせた生産ラインの改造が求められる中、設備の制約は生産の最適化を妨げる大きな課題でした。また、PLC(Programmable Logic Controller)を使った制御が前提となるため、ロボットの導入や調整には時間がかかり、生産ラインの立ち上げには18か月をも要していたのです。
このままでは競争力を確保するのが難しくなると感じていた生産技術部では、課題解決のための情報収集を進めました。
【課題のポイント】
- 開発も製造も常に人手不足な状況であるため、開発の内製化や製造の省人化をしなければならない
- 既存のロボットはプログラミングが難しく、外部業者への依頼が不可欠であるため、立ち上げに12か月を要していた
- 既存のロボットは固定設置が前提で、レイアウト変更やライン改造に不向きだった
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